NFT

NFTの始め方を初心者向けに解説!購入・出品方法も

資産運用を目的とした利用や、ゲームプレイで収入を得るために始める人が増えているNFT。日本でもNFTアートを制作・販売して生活をするNFT作家や、投資に利用する人などがいます。しかし、NFTを買いたいと考えていても、始め方や仮想通貨についてよくわからない人が多いのではないでしょうか。

この記事では、初心者にもわかりやすく簡単にできるNFTの始め方や、購入方法・出品方法について解説します。

この記事を参考にして、身近にNFTのある生活を始めてみてはいかがでしょうか。

NFTの定義とは何か

NFTとはNon-Fungible Tokenの略で、非代替性トークン(替えの無い唯一無二)を意味しています。デジタルデータの作品をNFT化することで所有権を証明でき、唯一無二の価値を持たせることが可能です。

NFT化できるデジタルデータの例を、以下に記載しています。

・音声(音楽など)

・画像(3Dイラストや絵画など)

・文書(小説や物語など)

・映像(アニメーションや電子音楽など)

・その他(プロジェクションマッピングやARなど)

NFTのデジタルアートについては下記の記事で詳しく解説しています。

唯一無二のNFTデジタルアートとは?作り方や購入・販売方法を解説初心者でも売買可能で、唯一性を証明できるNFTデジタルアート。有名人が投資目的でNFTデジタルアートの高額取引をしたり、NFTクリエイタ...

NFTの仕組みと特徴

NFTは、以下の3つの仕組みや特徴があります。

・ブロックチェーン技術により唯一無二を証明できる

・2次流通後も制作者に利益が還元される

・誰でもNFTを売買できる

それぞれ解説します。

ブロックチェーン技術により唯一無二を証明できる

NFTは基盤となる「ブロックチェーン」技術により、唯一無二を証明できます。ブロックチェーンとは、データ(ブロック)を1本の鎖(チェーン)のように繋ぐ仕組みです。1つのデータに対し複数のデバイスが管理するので、データの不正や改ざんが出来ないという特徴があります。

ブロックチェーン技術によって、これまで代替可能だった画像や音楽がNFT化でき、唯一無二の価値を持たせられるようになりました。

ブロックチェーンには種類があり、NFTによって利用されているチェーンはさまざまです。おもに利用されているのはイーサリアムですが、他にもSolana、BSC、Ronin、Polygon、BNBなどのチェーンが利用されています。

2次流通後も制作者に利益が還元される

NFTは作成したアーティストの元を離れた後も、収益の一部がアーティストに還元されます。これはブロックチェーン技術によって、作品の購入履歴や取引の記録が全て記録されるからです。

これまでは購入者が作品を転売(2次販売)しても、転売者にしか収入が入りませんでした。しかし、作品をNFT化することで転売後もアーティストへの収益が永久的に発生します。

誰でもNFTを売買できる

NFTは専門的なアーティストに限らず、誰でも購入や販売が可能です。特にメタバースなどのゲーム分野では、NFT化したアイテムやキャラクターが作成・販売されています。誰でも手軽に作品を取引できるので、今後も利用者が増えるでしょう。

また、NFTを保有して価値が上がった際に売却する投資家もいます。しかし、NFTの取引に必要な仮想通貨は、価格が暴落するリスクがあるので注意が必要です。

NFTの始め方と必要なもの

ここからは、NFTの購入や出品・販売の始め方を解説します。

購入方法(買い方)

NFTを購入するためには4つのステップがあります。

事前に本人確認できる書類や免許証が手元にあるとスムーズに始められるので、準備しておきましょう。

1.仮想通貨取引所で口座開設

まずは、仮想通貨取引所で口座を開設します。NFTの購入には仮想通貨が必要なので、日本円が利用できる国内の仮想通貨取引所で口座開設をしましょう。

国内の仮想通貨取引所の例は、以下の通りです。

・Coincheck(コインチェック)

・GMOコイン

・DMMビットコイン

・bitFlyer(ビットフライヤー)

2.口座に日本円を入金して仮想通貨を購入

口座が開設できたら、日本円を入金して仮想通貨を購入します。購入したいNFTに必要な仮想通貨の種類を確認し、取引所で取り扱いがあるか確認してください。

購入したい仮想通貨が国内の仮想通貨取引所にない場合は、海外の仮想通貨取引所で購入しなくてはなりません。海外の仮想通貨取引所では日本円が使用できないので、まずは国内の仮想通貨取引所で仮想通貨を用意してから海外の仮想通貨取引所を利用しましょう。

3.NFTウォレットを作成・入金

仮想通貨が用意できたら、NFTウォレットを作成して入金してください。NFTウォレットとは、ブロックチェーンゲームやNFTアイテムなどの購入に必要な仮想通貨を管理するWeb上の財布です。NFTを購入するために必ず必要になるので作成しましょう。扱いやすく多くの人が利用しているウォレットは「Metamask(メタマスク)」です。

スマホでMetamaskを作成したい人は、アプリのインストールをしてからパスワードや秘密鍵を設定する必要があります。PCから利用したい人は、ChromeなどのWebブラウザの拡張機能として追加すると利用開始できるので、自身に合わせた始め方で作成しましょう。

作成後は、用意している仮想通貨を入金してくださいね。

NFTマーケットプレイスにログインして欲しいNFTを購入

次に利用したいNFTマーケットプレイスを選び、ログインします。NFTマーケットプレイスとは、NFT化した画像やゲームアイテムなどの売買ができるプラットフォームです。それぞれのNFTマーケットプレイスによって、手数料やNFTの種類が異なるので、購入したいNFTの取り扱いがあるか確認してからログインしてください。

NFTマーケットプレイスは、国内のマーケットプレイスと海外のマーケットプレイスがあります。海外のマーケットプレイスの中には日本語が対応していないプラットフォームもあるので注意してくださいね。

NFTの販売方法(売り方)

作品の2次販売や、作成した作品をNFT化して販売する始め方には3つのステップがあります。

1.NFT化したい作品を準備

まずは、NFT化したい作品を準備しましょう。画像や映像などさまざまなものをNFT化できますが、注意するべき点もあります。

自身で撮影した画像の場合は、著作権のあるキャラクターや建物が映りこまないように配慮しなくてはなりません。もし映り込んでしまった画像をNFT化してしまうと、著作権侵害として訴えられる可能性があります。まずは作品に過失がないか確認をしましょう。

出品したいマーケットプレイスを選び、NFTの詳細を設定

作品の準備が整ったら出品先を選び、NFT化するための設定をしましょう。NFTの出品におすすめのマーケットプレイスは、世界的にも人気な「Opensea(オープンシー)」です。

まず、公式サイトから作成を選択し、出品したい作品を選びます。次に作品名や、詳細事項、価格や販売形式などが選べるので、設定してください。

販売形式は、提示した価格で取引する固定価格以外にも複数のやり方があります。自身の作品に適した方法を設定しましょう。

NFTをアップロード

全ての設定が終了したら、NFT化した作品をアップロードしましょう。

NFTに関連する仮想通貨銘柄の例

NFTの購入や売買をするためには、仮想通貨の準備が必要です。仮想通貨にはさまざまな種類があり、人気な銘柄ほど価格が高くなっています。しかし、仮想通貨の価格はリアルタイムで変動しているので、急に暴落してしまうリスクがあることを覚えておきましょう。

NFTの取引に利用されている仮想通貨銘柄の銘柄を2つ紹介します。

SOL【ソル】

SOLは、スイスのSolana財団が2020年3月にローンチ(提供開始)した仮想通貨です。データ取引の処理速度が早く手数料が安いなどの特徴があります。

さらに、人気仮想通貨銘柄であるイーサリアムが抱えている処理速度の遅さを解決したことによって、ユーザーの注目を集めました。仮想通貨は手数料が高いものが多いですが、SOLはコストの削減や高度なブロックチェーン技術の活用から「イーサリアム・キラー」とも呼ばれています。

仮想通貨名/シンボル Solana/SOL
価格 ¥2756.93
時価総額ランキング 10位
取引所 Binance/OKExなど(海外)

※価格チャート:2023年5月現在

ENJ【エンジンコイン】

エンジンコインは、2018年6月にイーサリアムのメインネットでローンチされた仮想通貨です。2021年に上昇率3,200パーセントを達成し、大きな注目を集めました。

ENJはおもにNFTプラットフォームの「Enjin Platform」で利用されています。Enjin Platformは、専門的な知識がない人でも簡単にNFTの発行が可能です。発行したNFTはさまざまなマーケットプレイスで売買できます。

仮想通貨名/シンボル Enjin Coin/ENJ
価格 ¥46.80
時価総額ランキング 116位
取引所 コインチェック/GMOコインなど(国内)

※価格チャート:2023年5月現在

NFTの売買ができるマーケットプレイスの例

ここからは、NFTの売買ができるマーケットプレイスの例を2つ紹介します。

Coincheck NFT【国内】

Coincheck NFTは、2021年3月24日に国内で初めて暗号資産交換業者が運営を始めたNFTマーケットプレイスです。取り扱っているコンテンツは20種類あり、ブロックチェーンゲームの「Decentraland(ディセントラランド)」や、「The Sandbox(サンドボックス)」などがあります。

Coincheck NFTに対応している仮想通貨銘柄は、仮想通貨取引所のCoincheckと同様の20種類です。詳しい銘柄名を以下に記載しています。

ETH/QTUM/LSK/XRP/SAND/XEM/DOT/LTC/BCH/MONA/XLM/BTC/FNCT/BAT/IOST/ENJ/OMG/PLT/CHZ/LINK

Opensea【海外】

Openseaは、2017年12月20日にサービス開始された世界最大規模のNFTマーケットプレイスです。NFTデジタルアートやトレーディングカード、音楽などさまざまなNFTを取り扱っています。

おもに決済に使用されている仮想通貨はETH(イーサリアム)です。他にも、SOL(ソル)やBAT(ベーシックアテンショントークン)などが使用されています。

また、2023年5月現在の対応しているブロックチェーンは8種類です。Openseaは、豊富なチェーンに対応している点も魅力と言えるでしょう。対応しているブロックチェーンを以下に記載しています。

Ethereum(イーサリアム)/Polygon(ポリゴン)/Klaytn(クレイトン)/Arbitrum(アービトラム)/Avalanche(アバランチ)/Solana(ソラナ)/optimism(オプチミズム)/BNB(旧バイナンススマート)

NFTを始めるメリットとデメリット

作品の希少性を証明できるNFT。NFTの利用にはメリットもありますが、デメリットもあります。

NFTを始めるメリット

NFTを始めるメリットはおもに2つです。

・いつでも売却できる

・資産価値が上がる可能性もある

所有しているNFTは土日や祝日に関係なく、365日24時間いつでも売却が可能です。例えば、日中は本業の仕事をして、休日の深夜に副業のNFT販売を行うなどの方法です。銀行や投資信託のように、土日や祝日に営業していないなどの心配がないので、誰でも利用しやすいでしょう。

また、NFTは保有するだけで資産価値が上がる可能性があります。リアルタイムで仮想通貨の価格は変動しているので、売却を考えている人は価格が高まっている頃を見計らうのがおすすめです。

NFTを始めるデメリット

NFTを始めるデメリットはおもに2つです。

・資産価値が下がるリスクもある

・需要が高まるにつれてガス代(手数料)が高くなる

NFTは始めるメリットでも紹介したように、資産価値が高まる可能性がありますが、デメリットとして急に資産価値が下がってしまうリスクもあります。先を見越して価値のある作品を購入しても、1ヶ月後には半分以下の価値に下がってしまうこともありえるでしょう。

どのくらいの額を作品にかけられるのかをしっかり考えシミュレーションしてから購入すると、リスクを削減できます。

また、NFTは需要が高まるにつれてガス代が高くなるので注意が必要です。ユーザーが多く人気なNFTゲームほど、利用されている仮想通貨の価格やガス代が高くなります。

NFTの将来性

さまざまな種類のデジタルデータに価値を持たせられるNFTですが、今後はネット上だけでなく現実世界での利用も期待されています。実際に、選挙の投票をネット上でできるデジタル投票などの開発が進められています。

現在の日本の選挙は、若年層の投票率が低いことが問題視されており、解決策が講じられてきました。この問題は、NFTを活用したネット投票にすることで今後の投票率を高められる可能性があります。実際に普及できれば、今後の政治に大きな影響が期待できるでしょう。

他にも、ブロックチェーンを活用したメタバースの利用者が増えるにつれて、NFTの需要が高まっていくと考えられます。現在NFTの市場規模は徐々に広がっていますが、今後はさらに拡大していくことが予想されるでしょう。

まとめ

唯一無二を証明できるNFT。まだ社会に完全に普及しておらず、利用者は一部にとどまっています。しかし、世界的に見ると利用者は年々増えており、日本にも少しずつ始める人が増えてきました。

ブロックチェーン技術の活用によって、今までは簡単にコピーや転売がされていた作品も、NFT化させることで価値を持たせられます。作成したイラストや音楽などをNFT化して販売したい人や投資、購入などを考えている人は、ぜひ本記事を参考に始めてみてくださいね。