メタバース

バーチャルSNSのcluster(クラスター)とは?できることや楽しみ方を解説

最大10万人の同時接続ができる人気メタバースアプリ「cluster(クラスター)」。3Dアバターを使用しながらコミュニケーションがとれる次世代型SNSとして人気です。イベントの開催や、ワールド内の出店を目的とした企業の参入も徐々に増えています。

しかし、従来のSNSとの違いや、具体的にできることについて分からない人が多いのではないでしょうか。この記事では、clusterがどのようなメタバースゲームか、遊び方や活用事例まで詳しく解説します。この記事を読んで、clusterの知識を深めてくださいね。

clusterとは?スマホアプリやPCから無料で遊べる

clusterは、2017年5月31日にリリースされたアプリで、クラスター株式会社が開発・運営しています。日本最大規模のユーザーを持ち、スマホやPC、VRから無料で始められるメタバースプラットフォームです。

自身の分身を表す3Dアバターでワールド(仮想空間)を探索したり、ユーザー同士でコミュニケーションを楽しめます。

clusterを運営しているクラスター株式会社は、2023年5月17日に52億(累計66億)の資金調達を発表しました。これにより、今後のアップデートやユーザー増加が期待できるでしょう。

参考ページ:日本発メタバースプラットフォームのクラスター、52億円の資金調達実施。クラスターの起業からスケールまでの道のりと、これから

clusterの特徴や楽しみ方

clusterは、プレイの制限がなく自由にワールド内を行動できます。基本無料で楽しめますが、やり方次第で収入を得ることも可能です。

具体的な特徴・楽しみ方のポイントは4つあります。

バーチャルイベントの開催や参加

1つ目は、ワールド内でバーチャルイベントの開催や参加ができる点です。バーチャルイベントとは、現実世界ではなく仮想空間内で行われるイベントを意味します。ライブやセミナー、トークイベントなど幅広く利用できる機能です。

自宅に居ながら持っているデバイスで参加できるので、交通費や移動時間の削減に繋がるといったメリットがあります。実際に「バーチャル渋谷au 5G ハロウィンフェス」や「ポケモンバーチャルフェスト」などのイベントが開催されました。

また、イベントは同時参加できる人数の上限が定められています。公開イベントは500人まで、限定公開イベントは50人までです。

仮想空間に構築するワールドの作成や探索

2つ目は、仮想空間内に構築するワールドの作成や探索ができる点です。ワールドは全てのユーザーが仮想空間内に作成できます。作成したワールドで遊んでもらったり、イベントの開催が可能です。

2023年7月時点で、40,000以上のワールドが作成されています。また、ワールドはスマホアプリのclusterで直接作れる「ワールドクラフト」から作成可能です。

他にも、PCとUnity(ゲームエンジン)で作成する「Cluster Creator Kit」と呼ばれる方法があるので、作成してみたいユーザーはどちらかの方法を選択してくださいね。

ボイスチャットなどのツールを使用したコミュニケーション

3つ目は、ボイスチャットやテキストチャットなどのツールを使用したコミュニケーションができる点です。ボイスチャットは、マイクをONにするだけで利用できます。

テキストチャットはネーププレートの表示をONにすると送った文章がアバターの上に表示される仕組みです。イベント時は、ゲスト権限があるユーザーとスタッフのみ利用可能になっています。

ボイスチャットは別の音声が入ると相手が聞き取りにくくなってしまうので、イヤホンの着用がおすすめです。他にも、VR版のみ拍手やグッドなどのエモーション機能を利用できます。

アバターの作成や販売

4つ目は、アバターの作成や販売ができる点です。メタバースの特徴であるアバター機能は、人の姿だけでなく、動物や架空の生き物などなりたい姿に設定できます。

clusterは、オフィシャルアバターとカスタムアバターがあり、どちらか選択しないと始められません。オフィシャルアバターは、cluster公式の既に完成されているアバターです。カスタムアバターは1から設定するアバターを指し、髪色や目の色、形、体型などを自分好みにカスタムできます。

他にも、ブースなどのマーケットで他のユーザーが作成したアバターを購入したり、外部ソフトで作成したアバターをclusterに連携させるのもよいでしょう。作成したアバターをマーケットに出品して収益を得るアバタークリエイターも多く存在します。

メタバースアプリclusterを始めるために必要なもの

  • インターネット環境
  • 情報端末
  • VRゴーグルや仮想通貨(任意)

clusterを始めるためには、上記の3つを準備しましょう。ただし、VRゴーグルや仮想通貨は必須ではなく、無くてもプレイできます。

clusterは常に多くのプレイヤーが接続しているため、不安定なインターネット環境だと接続が途切れてしまう可能性があります。そのため、WiFiや高速かつ安定したインターネット環境の用意がおすすめです。

情報端末とは、プレイするためのデバイスを指します。clusterに対応している情報端末は、スマホやPC、SteamVR(OpenVR)、Meta Quest2です。

clusterを活用した企業イベント事例

ここからは、実際に開催されたclusterの企業イベント事例を紹介します。

渋谷区公認のバーチャル渋谷

渋谷区公認のバーチャル渋谷は、2020年5月から入場可能になった都市連動型メタバースです。KDDIや渋谷未来デザイン、渋谷区観光協会などで組成された渋谷5Gエンターテインメントプロジェクトによって立ち上げられました。

本物の渋谷のような街並みをワールド内に再現しており、スポーツ観戦やフェスなどさまざまなイベントが開催されています。

バーチャル渋谷でイベントを開催する際は、1日貸切プランの利用がおすすめです。装飾やパネルの設置、投げ銭機能や投票機能など、あらゆる演出を自由に設定できます。

一般財団法人NFT鳴門美術館によるメタバース鳴門美術館

メタバース鳴門美術館は、2022年5月にcluster内にオープンした美術館です。徳島県鳴門市にある一般財団法人NFT鳴門美術館が、株式会社ワールド・コラボ・ジャパンとクラスター株式会社、株式会社Creator’sNEXTと協業して構築しました。

館内に流れている穏やかなBGMを聴きながら、本物の美術館のように歩いて作品を鑑賞できます。

また、「新星ギャルバース」や「DEEP YELLOW」とコラボしており、新たなユーザー層の獲得を目指しています。

三菱UFJ信託銀行による新卒採用イベント

三菱UFJ信託銀行は、2021年9月10日にclusterを活用して新卒採用イベントを行いました。イベントの目的は、企業と就活生の理解を深めることです。

三菱UFJ信託銀行の大会議室を3DCGで再現し、参加者は実際に訪問せずバーチャルオフィスを体験しました。

cluster代表取締役CEOによるバーチャル結婚式

クラスター株式会社を立ち上げた加藤直人CEOによるバーチャル結婚式が、2023年2月23日に行われました。同時にクラスター社は、バーチャル結婚式の概念や目的、メリットなどを紹介しています。

加藤直人CEOのバーチャル結婚式は参加条件がなく、誰でも無料で参列可能なことから、多くのユーザーが式に参加しました。

リアルの世界では難しい演出が可能な点や、お色直しにかかる時間がないなど、バーチャルならではのメリットを、CEO自らがユーザー間に広めました。

clusterで遊ぶ際の注意点

気軽にスマホやPCから始められるcluster。プレイする際は、以下の3つの注意点に気をつけましょう。

著作権侵害になるアバターを作成しない

アニメのキャラクターに似せたアバターの作成は、著作権侵害になるので作成しないように気をつけましょう。

clusterは、第三者の著作権を侵害する恐れのあるアバターの作成・着用を禁じています。疑いのあるユーザーは、アカウントの利用停止などの措置があるので注意してください。

ガイドラインから外れたVRの利用はしない

VR機器は360度全てがリアルと同じような視点を楽しめます。しかし、長時間の利用に伴い体調を崩す場合もあるので注意しましょう。適度に休憩し、目を休めながら利用するように心がけてください。

特に心臓が弱い方や妊娠中の方、乗り物に酔いやすい方は不調を感じやすいので注意してくださいね。

仮想空間に依存しない

仮想空間は自由自在に行動できて没入感が高いため、依存しないよう注意しましょう。あくまで仮想空間であり、日常生活に支障が出るほどの利用は身体に悪影響です。

特に、VRを着用した利用は深く没頭してしまいます。長時間の利用は避け、適度に休憩しながら利用するように心がけましょう。

まとめ

日本の人気メタバースゲームcluster。VRヘッドセットがなくてもアプリから簡単にプレイが可能です。アバターを作成して楽しんだり、距離や場所にとらわれずワールド内を自由に行動できます。

イベントへの参加や、ユーザー同士でコミュニケーションをとる際は、相手への気遣いを意識しましょう。また、著作権や高い依存性にも気をつけながら利用してくださいね。