メタバース

ソーシャルVRのVRchat とは?始め方や必要なものをわかりやすく解説

バーチャルリアリティ空間でアバターを利用し、チャットや探索を楽しめるVRchat(ブイアールチャット)。ソーシャルVRのメタバースプラットフォームとして、多くのプレイヤーに人気があります。VRchatはゲームやコミュニティだけでなく、ビジネス面で利用する企業も増えてきました。

しかし、VRchatの具体的な始め方や必要なものが分からない人も多いのではないでしょうか。この記事ではVRchatとは何か、できることや注意点まで詳しく解説します。この記事を読んで、身近にVRのある生活を始めてみてはいかがでしょうか。

VRchatとは

VRchatは2014年1月16日にリリースされたメタバースプラットフォームで、アメリカのVRChat Inc.が開発・運営をしています。アバターで仮想空間の「ワールド」を楽しむ人気プラットフォームです。

アクセス分析ツールのSimilarWeb(シミラーウェブ)によると、2023年6月時点の合計アクセス数は760万人でした。プレイ人口の約4割がアメリカのユーザーで、日本やカナダ、イギリスなどがその他を占めています。

ユーザーの年齢層は約8割が男性で約2割が女性です。おもに18歳から24歳のユーザーがプレイしています。

参考ページ:シミラ―ウェブVRchat情報

VRchatの魅力とできること

VRchatのプレイには、VR専用のヘッドセットやゴーグルが必要ありません。気軽に楽しめるVRchatの魅力は、おもに4つあります。

自由にアバターやワールドを作成

1つ目は、自由にアバターやワールドを作成できる点です。アバターとは仮想空間内で操作する分身を指し、髪型や目の色、体型や衣装などを自由に設定できます。アバターは、人の姿だけでなく動物や虫などさまざまです。

ワールドとは、VRchat内の仮想空間です。建物や道路、部屋など幅広い世界を自由に作成できます。作成したワールド内を他のユーザーに遊びにきてもらったり、イベントの開催も可能です。

1から全て作り上げるのは大変ですが、BOOTH(ブース)で無料配布されている既に完成された3Dモデルを利用すると簡単に作成できます。ワールドは作成できる条件が決まっているので、作成したい人はまず、以下の条件を達成してくださいね。

  • VRchat Creator Companion(VCC)をインストール済み
  • Unityをインストール済み
  • トラストレベルが「New User」以上

チャットを使ったコミュニケーション

2つ目は、チャット機能を活用してコミュニケーションできる点です。チャット機能は、マイクを使用して話す「ボイスチャット」と文章を入力して話す「テキストチャット」があります。

ボイスチャットは、まるで対面で話しているかのようなリアル感を楽しめる機能です。通話にアバター操作を加えたものとイメージすると分かりやすいでしょう。

テキストチャットは、LINEやSMSのようにキーボードから文章を入力して会話する機能です。声を出して話す必要が無く、気軽にユーザー同士でコミュニケーションを取れます。

イベントに参加

3つ目は、イベントに参加できる点です。イベントは、Twitterなどで時間や内容の告知がされています。

朝6時頃に開催されているラジオ体操ワールドで「ラジオ体操」をしたり、深夜24時頃に開催されている「1人のための立ち寄り所」に参加して交流するのもおすすめです。

毎日開催されているイベントも多いので、フレンドと日程を合わせてイベントに参加するとよいでしょう。Twitterを利用していない人は、イベント告知サイトをチェックするのがおすすめです。

仮想空間内のワールドを探索

4つ目は、仮想空間内のワールドを探索できる点です。ワールドはそれぞれコンセプト別に作成されており、探索やコミュニケーションを楽しめます。初心者用のワールドや、日本のユーザー向けのワールドなど種類が豊富です。

VRchat公式のワールド以外に、ユーザーが作成したワールドが数多くあります。謎を解きながら進む謎解きワールドや、ホラーを題材にしたホラーワールドなど無限にあるので、ぜひ興味のあるワールドを探索してみてくださいね。

どんなワールドがあるかは、ワールド一覧サイトからもチェックできます。

VRchatを始めるために必要なもの

VRchatを始めるために必要なものは、以下の通りです。

  • PC(Windowsのみ※ マイクあれば尚良し)
  • VRヘッドセット(任意)

VRchatはVRヘッドセットが無くても、PCがあれば始められます。VRヘッドセットを用意できれば、よりリアルな仮想空間で没頭感を高められるでしょう。

VRchatに対応しているVRヘッドセットは、「Meta Quest2(メタクエスト2)」です。Meta Quest2があれば、PCが無くても始められます。VRヘッドセットから始めるとアバターのアップロードができないので、アバターの着せ替えを楽しみたい人はPCから始めることをおすすめします。

VRchatの始め方

ここからは、VRchatを始める手順を4ステップに分けて解説します。

1.VRchatの公式サイトでアカウント作成

まずは、VRchatの公式サイトでアカウントを作成しましょう。公式サイトの右上にある「login」をクリックします。画面中央にある「jump in now」からも可能です。

クリックしたら、以下を入力してください。

  • ユーザー名
  • メールアドレス
  • 生年月日
  • パスワード

最後に利用規約に同意して送信すると、入力したメールアドレスにURLが届くので、登録を完了させてください。

2.steamをインストール

次に、steamをインストールします。steamのアカウントは、VRヘッドセットを使用せずPCで遊びたい場合に必要です。さまざまなゲームのプラットフォームが用意されており、VRchatをインストールするために必須なので準備しましょう。

公式サイトを開き、右上の「login」をクリックします。次に「steamに登録」と表示されるので、クリックしてください。VRchatのアカウント作成と同様に、ユーザー名や生年月日などを入力しましょう。

すべて入力し、利用規約への同意を済ませたら送信します。メールアドレスにURLが届くので、登録を完了させてください。登録したら、steam内でVRchatを検索して、インストールしましょう。

3.ログインしてチュートリアルからプレイ開始

最後に、インストールしたVRchatにログインするとプレイを始められます。

法人契約が必須!VRchatをビジネス利用する方法

近年人気のメタバースは、ビジネスを目的としたユーザーが増えています。VRchatもそのひとつです。ワールドを利用してビジネスをする個人事業主や、企業が多数存在します。

ビジネスの具体例は、「イベントを開催して有料チケットを購入してもらう」「グッズ販売」「有料ワールドで入場料をもらう」などさまざまです。しかし、VRchatと商用契約を結ばないと規約違反になってしまうので注意しましょう。

法人契約は、代行サービスを利用するとスムーズです。ワールドの作成から契約代行業務、チケット販売まで、多くのサポートをしてもらえます。

初心者におすすめの人気のワールド3選

ここからは、VRchat初心者におすすめのワールドを3つ紹介します。

[JP]チュートリアルワールド

チュートリアルワールドは、VRchat初心者が最初に訪れてほしいおすすめのワールドです。ワールドに入ると簡単な日本語のクイズが出題され、回答すると扉の奥へ進めます。日本語で操作方法や設定などを教えてくれるので、初心者にぴったりのワールドです。

VRchatは海外のユーザーが多く、頻繁に日本人のユーザーと出会えるとは限りません。日本人向けのワールドを積極的に利用すると、コミュニケーションをとれる可能性がグッと高まります。

まずはチュートリアルワールドでVRchatの知識をつけてから、他のワールドの探索がおすすめです。

Himiko Avatar World

Himiko Avatar Worldは、著作権などの許可を取得済みのアバターが多数展示されているワールドです。展示されているアバターは、その場で保存できます。VRchatは、保存したアバターをアップロードすると、そのアバターが使える仕組みです。

かわいい衣装などさまざまなアバターがあるので、初心者はぜひ訪れてお気に入りのアバターを見つけてください。

Deep Blue

Deep Blueは、夏の真っ青な海を楽しめるおすすめのワールドです。透き通った水が幻想的でクオリティが高く、ウミガメと共に海を泳げます。浅瀬や深い海底までリアルに作られており、実際に泳いでいるかのような体験が可能です。

特にVRヘッドセットを着用すると、より臨場感のあるダイビングができます。難しい操作がなく、海底トンネルやサンゴ、海の生き物と触れ合えるのでぜひ訪れてみてください。

VRchatの注意点

現実世界にいながらリアルな仮想空間を体験できるVRchat。PCやVRヘッドセットから楽しめますが、利用にあたって注意するべき点があります。

アバターやBGMを不正にアップロードしない・提供しない

VRchatだけでなく、全てのメタバースゲームに共通している注意事項として、アバターやBGMを不正利用しない点が挙げられます。アバターやBGMは、作成したユーザーから許可を得てからでないと利用ができません。

許可を得ずに利用してしまうと不正利用にあたり、公式規約違反になるので注意しましょう。無料のアバターや、利用許可を得ている展示物のアバターはアップロードできるので、しっかり確認してください。

また、BGMの改造や変更も規約違反です。他のプラットフォームのBGMを、VRchatで無許可のまま使用すると違反になるので気をつけましょう。

steam/Oculusで登録すると今後アバターやワールドを公開できない

VRchatは、始めにsteam・Oculusで登録をするとその後アバターやワールドを公開できないので注意しましょう。アップロードするには、VRchat向けのアカウントを作成しなくてはなりません。作成したら、steam・Oculusアカウントと連携します。

他にもPCの保有が必須などの条件があるので、すべて揃えてアップロードをしてください。

トラストレベルを上げないとアバターやワールドを公開できない

VRchatは、ユーザーのランクを表す「トラストレベル」が設定されています。トラストレベルが「NewUser」でなければアバターやワールドをアップロードできないので注意しましょう。

トラストレベル

Visitor→NewUser→User→KnownUser→TrustedUser

NewUserに満たない初心者は、パブリックアバターを保存して使えます。パブリックアバターは、誰でも使用できるアバターです。すぐにレベルを上げたいユーザーは、有料オプションを設定すると1度だけレベルを上げられます。

スマホ版も開発中!VRchatの今後

現時点で、PCかMeta Quest2で利用できるVRchat。開発・運営しているアメリカのVRchat Inc.は、2023年3月30日にスマホ版(※Androidのみ)の開発を進めていると発表しました。

すでに対応しているQuestはAndroidですが、iPhoneはまったく別物のグラフィック機能が内蔵されているのでリリースに時間がかかると予想されています。

今後スマホ版のVRchatがリリースされれば、世界を含む日本のユーザーも増え、よりワールド内がにぎやかになるでしょう。

まとめ

世界中で人気上昇中のVRchat。VRヘッドセットが高額でなかなか購入できない人も、PCがあれば楽しめます。また、初心者も利用しやすいワールドが多くあるので、さまざまなコンセプトを体験できるでしょう。

無料で始められるので、興味のある人は本記事を参考にVRchatの世界を楽しんでください。