メタバース

メタバースとは?何ができる?初心者向けに簡単・わかりやすく意味を解説

近年、ニュースやビジネスシーンでもよく耳にするようになったメタバース。メタバースとは、インターネット上などにおける3次元仮想空間のことを指しますが、いまいちピンとこない方も多いのではないでしょうか。 この記事では、初心者でも簡単に理解できるようメタバースの概要や具体例をわかりやすく解説します。「メタバースという言葉は知っているけど理解しきれていない」「メタバースを活用してみたいけどよくわからない」という方は、ぜひこの記事を最後まで読んでみてください。

メタバースとは

 

メタバースとは、インターネット上にコンピューターグラフィックで表現された仮想空間のこと。ユーザーは自分のアバターを使って他者とコミュニケーションをとれるもので、「どうぶつの森」や「Minecraft」といった人気ゲームもメタバースの身近な例として挙げられます。 高次・超越を意味する「メタ(meta)」と、宇宙・銀河を意味する「ユニバース(universe)」を組み合わせた言葉で、1992年のニール・スティーブンソンのSF小説「スノウ・クラッシュ」を元に名付けられました。 2022年現在メタバースの明確な定義はまだありませんが、経済産業省の資料*によると、メタバースとは「多人数が参加可能で、参加者がその中で自由に行動できるインターネット上に構築される仮想の三次元空間」とされています。 *【報告書】令和2年度コンテンツ海外展開促進事業(仮想空間の今後の可能性と諸課題に関する調査分析事業)

メタバースとVRの違い

 

VRとは、専用のゴーグルを通して仮想世界を楽しむバーチャルリアリティ(仮想現実)のことです。言葉が似ているため混同されがちですが、メタバースとは別物であることを覚えておきましょう。 違いとしては、メタバースは「人々が交流できる仮想空間であること」に重点を置いている一方で、VRは「現実のような体験ができる技術であること」に重点を置いているということ。これらは両立することもあり、VR技術を使った現実世界のようなメタバースも存在します。

メタバースが注目されている背景

メタバースが急速に世に広まった、主な4つの理由は以下の通りです。

  • オンラインコミュニケーション技術の進歩
  • VR技術の進歩
  • NFTや仮想通貨の技術の実用化
  • Facebook社の社名変

それぞれ詳しく見ていきましょう。  

オンラインコミュニケーション技術の進歩

まず第一に挙げられるのはオンラインコミュニケーションの技術が進歩したこと。これには新型コロナウイルスの流行も大きく関係し、リモートワークでのコミュニケーションを円滑にするために、メタバースが活用されたという背景があります。 以前まではおもにゲームの分野で活躍していたメタバースでしたが、これによりビジネスシーンでも注目されるようになりました。

VR技術の進歩

VR技術が進歩したことも、メタバースが注目されるようになった要因として挙げられます。これまでVR機器は高価で難しいイメージがあり、一部の人しか扱えないと思われていました。 しかし、高性能な部品の開発・量産によりVR機器本体の値段が下がったことや軽量化されたことで、これまで以上に幅広い層の人々が手に入れられるようになりました。

NFTや仮想通貨の技術の実用化

NFT(非代替性トークン)や仮想通貨などの技術が実用化されるようになった背景も関係しています。NFTとはアート作品といった、代替可能性のない価値の付いたデジタルデータのこと。 メタバースでもこのようなデータを作成し、仮想通貨で売買ができるようになりました。

Facebook社の社名変更

2021年にアメリカの有名企業であるFacebook社が社名をMetaに変更したことも大きな要因といえるでしょう。これは、他の多くの企業がメタバース事業に本格的に参入するきっかけにもなりました。

メタバースを使うことでどうなるか

それでは、実際にメタバースを用いることでどのような効果に期待できるのでしょうか。メタバースを使うことによりメリットとデメリットを解説していきます。

メリット

メタバースを使う最大のメリットは、制約のない世界での新たなエンターテインメントやビジネス体験ができることです。 近年主流となったオンライン会議などでは、発言するタイミングや表情・身振りなどが伝わりにくく、リアルでの会話とのギャップを感じることがありました。しかし、メタバースを活用することでオンラインでのコミュニケーションは限りなくリアルに近づき、目の前にいる相手と会話するような体験をつくり出すことができます。 また、いつでもどこでも世界中の人とコミュニケーションがとれるのも魅力。移動時間やコストを考えることなく、バーチャルの会議やイベントに参加することができます。 さらに、あらゆる企業がメタバース事業に参入することにより、ビジネスチャンスの広がりも期待されています。カナダに拠点を置く市場調査会社「Precedence Research」によると、メタバースの市場規模は今後10年ほどで約214兆円にまで達するといわれており、さらに多くの企業がメタバース事業に参入していくでしょう。

デメリット

メタバースを使うデメリットとしては、メタバースで長時間を過ごすことでリアルでのコミュニケーションが減ってしまう可能性があることです。 さらに、メタバースがリアルに近づけば近づくほど、没入感が高くなり依存状態に陥ることも考えられます。技術の進歩により制約のない新たな体験ができる反面、その制約のなさに慣れてしまい、メタバースから抜け出せなくなる可能性があることは課題と言えるでしょう。 また、パスワードの安全性などセキュリティの面でも注意が必要。とくに仮想通貨でのやりとりにおいては、ハッキングを受けて仮想通貨が不正に流出するといったことのないよう、安全な環境作りが必要です。

メタバースの具体例

 

ここからは、メタバースの具体的な事例をご紹介します。さまざまな分野でさまざまなサービスが提供されていますが、以下の2つの分野が挙げられます。

  • ゲーム分野のサービス
  • ビジネス分野のサービス

それぞれ詳しく見ていきましょう。

ゲーム分野のサービス

メタバースの身近な具体例としては、ゲーム分野のサービスが挙げられます。大人数のユーザーがリアルタイムで没入感のある世界を体験でき、NFTとしてアイテムなどを売買できることが特徴です。 これまでのゲームよりもリアルに近い形で他のユーザーとコミュニケーションがとれるのが魅力で、ミュージシャンがゲーム内でバーチャルライブを行なうなどエンターテインメント性の高さにも注目が集まりました。 ここでは代表的なゲーム分野のサービスを3つご紹介します。

The Sandbox(ザ・サンドボックス)

The Sandbox(ザ・サンドボックス)はその名の通り「サンドボックス(砂場)」と言われるジャンルのゲームで、遊び方に制約やゴールは存在していません。LANDと呼ばれるNFTの土地がベースとなっており、ユーザーはここにオリジナルのゲームやショップなどを作成して装飾していきます。 自分のアバターを用いて他のユーザーとコミュニケーションをとったり、イベントに参加することも可能。なんでも自由に作成することができる、自由度の高いゲームです。

Minecraft(マインクラフト)

Minecraft(マインクラフト)もサンドボックスと呼ばれるジャンルのゲームで、決まった遊び方は存在しません。プログラミングの学習に役立つと期待されており、教育現場にも取り入れられています。 基本的にはブロックを積んだり集めたりする「ブロック遊び」を、メタバース内で行なうイメージです。パソコンやスマホはもちろん、PlayStation4やNintendo Switchといった家庭用ゲーム機にも対応し、幅広い機種で遊ぶことができます。

Fortnite(フォートナイト)

Fortnite(フォートナイト)は、クラフト要素を盛り込んだTPS(サードパーソン・シューティングゲーム)です。アクションゲーム、バトルロイヤルゲーム、クリエイティブの3つのモードを提供しており、はばひろいエンターテインメント体験ができます。 他のユーザーとボイスチャットを通して、コミュニケーションがとれるのも特徴。まるで同じ空間にいるような感覚で、協力プレイなどを楽しめます。  

ビジネス分野のサービス

メタバースを使ったビジネス分野のサービスは、商談から広告、研修、イベントなど多岐にわたります。代表的な例としては、以下の3つが挙げられます。

  • バーチャルオフィス メタバースのオフィスに自分のアバターで出社い仲間とコミュニケーションがとれる
  • バーチャルショップ バーチャルの店舗内を見て回ってモノやサービスの購入ができる
  • バーチャルイベント まるで実際にライブや講演会の会場にいるかのような臨場感を味わえる

メタバースを使うとお互いのいる場所を問わずすぐにコミュニケーションがとれるため、集客や商談の機会を逃すことがなくビジネスチャンスを広げられるでしょう。 ここでは代表的なビジネス分野のサービスを3つご紹介します。

Horizon Workrooms(ホライゾンワークルーム)

Horizon Workrooms(ホライゾンワークルーム)は、オンライン上のワークスペースです。まったく別の場所にいるユーザー同士がVR空間で会議をするなど、どこにいてもチームメンバーと一緒に仕事をすることができます。 ホワイトボード機能にアイデアを記録したり、集まったメンバーで雑談したりと活用方法はさまざま。リモートワークの需要が伸びているこれからの働き方を変えるともいえるサービスです。

oVice(オヴォイス)

oVice(オヴォイス)は、ワークスペースとしてはもちろんイベントなど幅広い目的で使えるバーチャル空間です。他のユーザーと隣で話しているような感覚で使用できるのが特徴で、近くにいる人に声をかけるといったリアルに近いコミュニケーションがとれます。 1対1の相談からグループワーク、数千人規模のイベントでも安定した通信を保てるのも魅力。ユーザーの仕事の状態がひと目でわかったり、入退室の記録をとれるなど、便利な機能にも注目です。

V-expo(V-エキスポ)

V-expo(V-エキスポ)は、オンラインイベントを簡単に開催できるバーチャルイベントスペースです。展示会やセミナー、ワークショップなどさまざまなイベントに対応し、ユーザーはアバターを用いて会場を歩き回ることができます。 webブラウザからアクセスできるため、アプリのインストールや専用の機器が不要な点も魅力。時間や場所の制限なく、いつでも参加ができるフレキシブルなバーチャルイベントサービスです。

まとめ

メタバースとはインターネット上に設けられた仮想空間のこと。ユーザーは自分のアバターを通して他のユーザーとコミュニケーションをとったりイベントに参加したりすることができます。現時点ではゲーム分野のサービスが身近に感じられますが、今後はビジネス分野においてもさらに注目が集まるでしょう。 多くの企業が参入することにより、エンターテインメントとしてだけではなくビジネスチャンスにも繋がるメタバース。これからの私たちの生活に大きな影響を与えるであろうメタバースの世界に、ぜひ注目してください。