3D技術の進歩によって、よりリアルに近い姿を再現できるようになったメタバースのアバター。スマホからも作成や販売ができるということもあり、人気が高まってきています。しかし、3Dアバターの具体的な作り方をイメージできる人は少ないのではないでしょうか。
この記事ではアバター作成手順の解説や、おすすめの作成サイトの紹介などをしていきます。この記事を参考に、世界に1つだけのオリジナルアバターを作ってみてくださいね。
メタバースのアバターとは

メタバースのアバターとは、仮想空間上の分身を意味します。メタバースは「超越」を意味する「Meta」と、「世界」を意味する「Universe」を掛け合わせた言葉です。アバターとは「化身・権化」の意味を持つ「avataara」という語源からきており、2つを合わせると仮想空間上のもう一人の自分ということになります。
「あつまれ どうぶつの森」や「モンスターハンター」などが、アバターを想像しやすい代表例といえるでしょう。メタバースの世界では2D(平面の世界)ではなく立体的な3Dアバターを使って行動します。
アバターの特徴は、人間と同じような動作ができるということです。さらに、アバターは全て人間の姿とは限りません。ロボットや動物、年齢や性別を超えてなりたい姿になれるという魅力があります。
メタバースのアバターでできること

現在メタバースは、イベントへの参加や探索・ゲームプレイが主流となっています。しかし、アバターのみに着目した楽しみ方や活用法があることをご存じでしょうか。
おすすめの活用方法と楽しみ方を3つご紹介するので、ぜひ自身のアバターで試してみてくださいね。
1.ファッションを楽しむ
メタバースでは、アバターに好みの衣類やアクセサリーを装着させることができます。さらに衣類だけでなく、髪型・目の形・肌の色などの設定も可能となっており自由度がかなり高いです。オリジナルのアバターを設定した後は、何度でも変更することができます。
気軽にファッションを楽しみたい方は、無料の衣類やアクセサリーも豊富にあるのでその日の気分に合わせた自分好みのファッションを楽しんでみてはいかがでしょうか。
ここからは、よりファッションを楽しみたい方におすすめの方法をご紹介します。
ブランドが提供しているファッションアイテムを購入する
現在メタバースはさまざまなアパレルブランドの参入が相次いでいます。人気プラットフォーム「Decentraland」では世界初のオフィシャルメタバースファッションウィークが開催されました。アパレル業界はメタバースとの相性がよく、今後はさらに多くのアパレル企業の参入が予想されます。
現在多くのブランドがオリジナルのデジタルファッションアイテムを販売しており、現実世界のように試着や購入が可能です。実際に参入しているアパレルブランドの例を、以下に記載しています。
・BEAMS(ビームス)
・NIKE(ナイキ)
・GUCCI(グッチ)
・Balenciaga(バレンシアガ)
・GIVENCHY(ジバンシイ)
メタバース上にのみ販売している衣類やアクセサリーなどもあり、現実世界ではできないブランドファッションを楽しめるところが魅力といえるでしょう。
自分でファッションアイテムを制作・販売する
メタバースでは自分でファッションアイテムを制作し、作品を売る楽しみ方もあります。バーチャルファッションデザインができるプラットフォームのThe Fabricant(ザ・ファブリカント)は、オランダを拠点とした世界初のデジタルファッションハウスです。
デザインした服はメタバース内で着用できることから人気を集めています。制作した服を販売したい場合は、世界最大のNFTマーケットプレイスOpenSea(オープンシー)を利用するのもおすすめです。
簡単に販売できるプラットフォームもあるので、気軽に利用してみてはいかがでしょうか。
2.他のキャラクターとコミュニケーションを楽しむ
メタバースではアバターを使って現実世界のような会話や、ジェスチャーを使ったコミュニケーションを楽しむことができます。ライブイベントなどで他の参加者と一緒に拍手やジャンプをしながら盛り上がることも可能です。
アバターを使うことで実際は遠い距離にいる人とでも、まるで近くにいるかのような会話が実現します。さらに一人称視点機能を利用すると、よりリアルに近い視点でのコミュニケーションができるのでぜひ活用してみてください。
プラットフォームによっては、物を持ったり椅子や階段に座るなどの機能も搭載されています。さまざまな機能をうまく利用しながら、世界中のアバターとコミュニケーションを楽しんでみてくださいね。
3.ビジネスシーンで活用する
メタバースでのビジネスシーンにおいて、アバターは大いに役立ちます。企業が理想の会社イメージを保つためにアバターの外見を統一したり、オリジナルのアバターを使うことで人種・年齢・性別・障害にとらわれることなく働くことができます。
接客をする際に懸念される客からの脅迫・暴行・セクハラなどの危険性を、アバターを使うことで回避できるのも大きなメリットです。
メタバース上に工場を構築し、人の代わりにアバターにシミュレーションや作業をさせ、現実世界での事故を減らすこともできるでしょう。
メタバースで使えるアバターの作り方とおすすめ作成サイト4選!スマホ対応も

アバターは基本的にプレイしたいプラットフォームをダウンロードまたはアプリをインストールすることで、すぐに作成を開始することができます。サービス内には既に数種類の髪型や衣類が用意されており、その中から自分の好きなようにカスタマイズをしていくという流れです。
おすすめの作成サイトを4つ紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
1.AvatarMaker(アバターメーカー)【cluster専用】
アバターメーカーはclusterをインストールしていれば誰でも使用できるアバター作成機能です。clusterのホームワールド内に設置されており、パネルをクリック(スマホの場合はタップ)するといつでもアバターをカスタマイズできます。
アバターメーカーはPCとスマホどちらからでもアクセスが可能です。外部ツールでのアバター作成や連携などの手間がなく、cluster内でアバター作成・プレイを完結させることができます。
カスタマイズできるパーツは以下の通りです。
髪 | 髪型/髪色 |
---|---|
顔 | 顔の横幅/頬の大きさ/アゴの位置/アゴの大きさ |
目 | 形/色/左右位置/上下位置/横幅/縦幅/角度 |
まつ毛 | 形 |
眉毛 | 形/色・左右位置/上下位置 |
鼻 | 向き/鼻の高さ/鼻筋の高さ/横幅 |
口 | 上下位置/横幅 |
服 | トップス/ボトムス/靴下/靴/上下セット |
その他 | 上ひげの形/下ひげの形/ひげの色/身長/体型/頭の大きさ/肌の色/性別 |
2.VoxEdit(ボックスエディット)【The sandbox専用】
ボックスエディットとは、The sandboxで利用するアバターを制作できる無料ソフトウェアです。The sandboxの作成という項目からボックスエディットをダウンロードし、zipファイルを解凍するとアバターの作成を始めることができます。
テンプレートのアバターがいくつか用意されており、初心者でも作成しやすくなっているのが特徴です。さらに、アニメ―ション(動き)をつけられることが他の作成ツールと違うところといえます。
The sandboxはPCのみ対応のプラットフォームです。スマホからはボックスエディットを利用できないので注意しましょう。The sandbox・ボックスエディットともに言語の初期設定が英語になっているので、日本語に変更してから利用することをおすすめします。
3.Ready Player Me(レディプレイヤーミー)【VR Chat・その他サービス】
レディープレイヤーミーは、上記の1や2で紹介したようなプラットフォーム内ツールとは別の外部アバター作成サイトです。スマホにも対応しており、ブラウザから始めることができます。まず性別を選択し、自身の画像をアップロードすることで自分そっくりなアバターの自動生成が可能です。
自動生成後は自身の好きなようにカスタマイズができます。画像を使用せずアバターを作成することもできるので気軽に始めてみてくださいね。作成したアバターを利用したいときは、アバターのglbファイルをダウンロードし、プレイしたいプラットフォームにアップロードすることで利用できるようになります。
カスタマイズできるパーツは以下の通りです。
髪 | 髪型/色 |
---|---|
顔 | 輪郭・目・眉毛・鼻・口・ひげの形や色/肌の色/メイク |
服 | 上下セット |
その他 | 眼鏡・サングラス/マスク・仮面/帽子・ヘルメット |
4.MakeAvatar(メイクアバター)【VR Chat・その他サービス】
メイクアバターはスマホ対応のアバター作成アプリです。アプリをインストールするとすぐにアバターの作成が開始され、パーツのカスタマイズやアバターに名前を付けることができます。特徴は、1つのアバターに限らず追加して作成できるところです。
作成したアバターを保存することで、プレイしたいメタバース上にアップロードすることができます。現段階では、VRChat・DOOR・VRoid Hub・THE SEED ONLINE・池袋ミラーワールドの5つへのアップロードが可能です。今後はさらに多くのメタバース上にアップロードができるようになるでしょう。
カスタマイズできるパーツは以下の通りです。
体 | サイズ/胴の長さ/腕の長さ/足の長さ |
---|---|
頭 | 大きさ/長さ |
目 | 形/色/間隔/高さ/角度/大きさ |
口 | 位置/大きさ |
服 | 色 |
メタバースでアバターを使うメリット・デメリット

メタバースの特徴ともいえる3Dアバター。本記事ではカスタマイズする楽しさやいくつかの活用法などをご紹介してきました。メタバースでアバターを使用するメリットは大いにありますが、実はデメリットもあることをご存じでしょうか。
メタバース内でアバターを使うメリットとデメリットを、それぞれ解説します。
メリット
メタバースでアバターを利用するメリットは、おもに3つあります。
・現実とは違う理想の姿になれる
・実際の距離に縛られず遠くの人とリアルなコミュニケーションができる
・感染症のリスクを減らせる
アバターを使う一番大きなメリットは、コンプレックスから離れて外見や年齢・性別にとらわれず、なりたい姿になれることでしょう。
今後はユーザー自身の声・人格・表情までをも再現できると考えられており、さらにリアルなコミュニケーションの実現が期待されています。
デメリット
メタバースでアバターを利用するデメリットとして、以下のことが挙げられます。
・本当の相手の姿が見えない
アバターから実際の姿を想像するのは容易ではありません。アバターは人の姿だけでなくロボットや動物の姿になることもできます。女性同士で話していると思っていても、実は他国の異性同士ということもあり得るのです。
本当の顔や素性が分からない相手とインターネットを介して交流するので、個人を特定できることは控えて利用するようにしましょう。
メタバースのアバターにまつわる課題

メタバースは、拡大化が進む一方で未だ法整備が追いついていないことが問題となっています。実際に法的課題について討議がされていますが、メタバースについての規制や法律はできていません。
現在アバターを利用するうえでの課題はおもに2つあります。
肖像権などの法的課題
まずは肖像権についてです。メタバースでは作成したアバターを販売することができますが、現在のメタバース内には所有権や肖像権が整備されていません。万が一自分のアバターのなりすましを見つけても取り締まることができないのです。
この課題を一刻も早く改善するべく、政府はアバターに対する権利の検討のため官民連携会議を開きました。このような討議がされていることから、メタバースの法整備がどうなるのか、今後の動向に注目が集まっています。
個人情報の保護
2つ目の課題として個人情報の保護があります。現実世界と同じくメタバース内でもアバターを利用して近づき、資産や個人情報を盗もうとする人がいるのが現状です。
そういった犯罪に合わないために、メタバースにログインするためのパスワードは使いまわさないなどの自己対策を心がけましょう。
まとめ
メタバース上のもう一人の自分ともいえる3Dアバター。カスタマイズできるパーツの増加や、アバターを使ったコミュニケーションの高機能化が見込まれています。また、今後の参入企業やユーザーの増加によって、さまざまなアバターに出会える機会がさらに増えていくことでしょう。
本記事で紹介したおすすめのアバター作成サイトや活用法などを参考にして、より充実したメタバースライフを楽しんでくださいね。