近年、ニュースやビジネスシーンで取り上げられることの多くなったメタバース。メタバースとはインターネット上の仮想空間のことを指します。しかし、「仕組みがよくわからない」「やってみたいけど始め方がわからない」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、メタバースのやり方を初心者にもわかりやすく簡単に解説します。スマホやパソコンでの始め方や暗号資産(仮想通貨)の買い方、VRゴーグルなど必要なものについてもご紹介するので、ぜひ最後までチェックしてください。
メタバースとは

メタバースとは、インターネット上にコンピューターグラフィックで表現された仮想空間のことを指します。ユーザーは自分のアバターを動かして他のユーザーとコミュニケーションをとることができ、「Minecraft」のような人気ゲームもメタバースの世界を体感できる身近な例のひとつです。
メタバースの「メタ(meta)」は高次・超越を意味し、それに宇宙・銀河を意味する「ユニバース(universe)」を組み合わせてメタバースと名付けられました。これは、1992年のニール・スティーブンソンのSF小説「スノウ・クラッシュ」が元になっています。
2022年時点でメタバースの明確な定義はなく、スマホやパソコンから楽しめるものから専用の機器が必要なものまで種類はさまざま。インターネット上でリアルに近いコミュニケーションがとれるバーチャルオフィス、暗号資産を用いてアイテムの売買ができるゲームなど、幅広いサービスが存在します。
メタバースで何をしたいのかはっきりしておこう

「メタバースを始めたい」と言っても、何をしたいのかによって必要となるものや準備がかわってきます。メタバースのサービスはすべてにおいてVRゴーグルや暗号資産が必要なわけではないため、やりたいことを明確にしておきましょう。
- オンライン会議やコミュニケーションが目的・・・簡単に始められる
- 暗号資産が必要となるオンラインゲームが目的・・・準備が必要
まず、オンライン上でリアルに近い会議などが行えるバーチャルオフィスや、SNSのようなコミュニケーションサービスの使用が目的の場合、事前に念入りに準備をしておく必要はありません。
しかし、暗号資産が必要となるオンラインゲームの使用が目的の場合、以下で解説する準備が必要です。
メタバースを始めるために必要なもの

一般的に、メタバースを始めるために必要となるものは、以下の通りです。
- 暗号資産
- 国内の暗号資産口座
- 海外の暗号資産口座
- 仮想通貨ウォレット(MetaMask)
- プラットフォームのアカウント
さらに本格的にメタバースを楽しみたい方は、上記に加えてVRゴーグル(ヘッドセット)やコントローラーなどの機材も使用してみてください。ちなみにVRゴーグルは安いもので1万円程度、高いもので5万円を超えるものもあるため、どのくらい没入感を得たいかに合わせて選ぶのもいいでしょう。
また、サービスによっては処理能力の高いパソコンが必要となる場合もあります。
メタバースのやり方6ステップ

ここからは、メタバースのやり方を6つのステップに分けてご紹介します。
1.国内の暗号資産口座を開設する
2.口座に日本円を入金し暗号資産を購入する
3.海外の暗号資産口座を開設する
4.保有する暗号資産を専用のコインへ換金する
5.専用のコインを仮想通貨ウォレットに送金する
6.メタバースのプラットフォームと仮想通貨ウォレットを連携
1.国内の暗号資産口座を開設する
まず、国内の暗号資産口座を開設しましょう。メタバースでは通常アイテムやNFT(偽造不可なデジタルデータ)の売買に暗号資産が用いられるため、暗号資産を保持しておくことはメタバースを始めるうえでの基本と言えます。日本在住の方の場合、日本円で暗号資産を購入することになるため、日本円で暗号資産の売買ができる国内の暗号資産口座が必要です。
国内の多くの暗号資産取引所が、無料で口座を解説できます。口座開設の際はメールアドレス・氏名・住所などの個人情報と本人確認書類が必要なため、準備しておきましょう。
記事の後半では、メタバースを始める際におすすめの暗号資産取引所をご紹介しています。
2.口座に日本円を入金し暗号資産を購入する
解説した口座に日本円を入金し、暗号資産を購入しましょう。主な入金方法は以下の通りです。
- 銀行振込
指定の口座に銀行から振込で入金 - コンビニ入金
指定の口座にコンビニのATMから入金 - クイック入金
指定の口座にインターネットバンキングを利用して入金
銀行振込のメリットは手数料が安く済む点で、デメリットは反映までに数時間を要する点です。それに対し、コンビニ入金やクイック入金は即座に反映されるものの、銀行振込よりも手数料が高く設定されています。
いずれかの方法で入金したら、実際に暗号資産を購入しましょう。ここで購入した暗号資産は、後にメタバースで使う専用のコインと換金するため、ビットコインなど有名なものを購入しておくのが無難です。
3.海外の暗号資産口座を開設する
続いて、海外の暗号資産口座を開設しましょう。メタバースで使うコインは国内の暗号資産取引所では取り扱っていないため、国内に併せて海外の口座も必要です。
少し複雑ではありますが、国内の暗号資産取引所で購入した暗号資産を、海外の暗号資産取引所に送金し換金するという流れになります。
4.保有する暗号資産を専用のコインに換金する
保有する暗号資産を、メタバースで必要な専用のコインに換金しましょう。手順は以下の通りです。
1.日本の口座で保有する暗号資産を、海外の口座に送金する
2.海外の口座に移した暗号資産で専用のコインに換金(コインを購入)
5.専用のコインを仮想通貨ウォレット(MetaMask)に送金する
メタバースで使う専用のコインを手に入れたら、そのコインを仮想通貨ウォレットであるMetaMaskに送金しましょう。MetaMaskとは、ユーザーが保有する暗号資産やNFTを保管するインターネット状のウォレット(財布)のようなイメージです。
MetaMaskは数ある仮想通貨ウォレットの中のひとつで、メタバースによってはログインの際にMetaMaskが必須の場合もあります。MetaMaskは簡単に準備することができ、Google Chromeの拡張機能としてダウンロードできます。
6.メタバースのプラットフォームと仮想通貨ウォレット(MetaMask)を連携
最後に、メタバースのプラットフォームと仮想通貨ウォレット(MetaMask)を連携させましょう。ここでいう連携とは、メタバース内でMetaMaskを使える状態にすることを指します。連携方法はプラットフォームによって異なりますが、口座開設などと比べるとシンプルな場合が多いです。画面の指示に従って必要事項を入力していきましょう。
連携が済んだら、ついにメタバースをプレイできるようになります。先ほどの手順で用意した暗号資産でアイテムを購入したり、他のユーザーとコミュニケーションをとってみてください。
メタバースを始める際におすすめの暗号資産取引所

ここからは、メタバースを始める際におすすめの、使いやすい暗号資産取引所をご紹介します。これからメタバースを始める方は、ぜひ参考にしてください。
Coincheck
国内暗号資産取引アプリのダウンロード数No.1*のCoincheck。人気NFTゲームのThe Sandboxで使用される『SAND』を含む、計18種類の暗号資産を取り扱っています。
取引所手数料・販売所手数料が共に無料で、最低取引金額は500円相当からとワンコインで投資ができるのも特徴。シンプルな操作性で、初めて暗号資産取引に挑戦する方にもおすすめです。
*2020年1月-12月(data.aiのデータより)
DMM Bitcoin
レバレッジ取引の取扱通貨数の多さが特徴の、DMM Bitcoin。メタバースでよく使われるETH・XTZ・ENJといった通貨を含む計20種類の暗号資産を取り扱っています。
出金手数料が無料なので、送金手数料を抑えることができるのも魅力。充実したサポート体制が自慢で、土日祝日を含む365日対応しています。いつでも気軽に取引をしたい方にぴったりです。
GMOコイン
業界最大級の23銘柄を取り扱う、GMOコイン。入金や出金・預け入れの手数料が無料のため、長期の投資でランニングコストを抑えることができます。
最短10分ほどで口座が開設できる手軽さも魅力。株式投資なども運営しているGMOグループなので、セキュリティに安心を求める方にも適しています。
メタバースを利用する際の注意点

メタバースを利用するうえでの注意点をご紹介します。大切な資産を失わないためにも、以下の注意点を事前に把握しておきましょう。
- パスワードや秘密鍵を紛失・漏洩しないようにする
- 送金時のアドレスの入力ミスをしないようにする
- 知らないURLやメールにアクセスしないようにする
パスワードや秘密鍵を紛失・漏洩しないようにする
一般的な銀行口座の暗証番号などにも共通して言えることですが、メタバースの場合もパスワードや秘密鍵を紛失・漏洩しないようにしましょう。
メタバースは直接的に資産に関わるものなので、パスワードの紛失などによりハッキングや乗っ取りの被害に遭うと、大切な資産を失う可能性があります。パスワードや秘密鍵は厳重に扱い、たとえ家族であっても簡単に教えることのないよう注意してください。
また、仮想通貨ウォレットの「リカバリーフレーズ」の扱いにも注意が必要です。これは、仮想通貨ウォレットへのアクセスができなくなった際に復元に使用する際などに使用するパスワードのようなもの。第三者がリカバリーフレーズを知ると、ウォレットにアクセスできるようになってしまうため、こちらも紛失・漏洩しないよう注意が必要です。
送金時のアドレスの入力ミスをしないようにする
暗号資産を送金する際や仮想通貨ウォレットに入金する際は、入力するアドレスなどを間違えないようにしましょう。入力ミスがあると正しく送金・入金ができず、結果として資産を失うことになります。
現にこのミスで資産を失っているユーザーも多いため、慎重な対応が必要です。アドレスなどを入力する際は手入力を避け、コピペで正確に入力するのがいいでしょう。
知らないURLやメールにアクセスしないようにする
メタバースに限った話しではありませんが、知らないURLやメールにはアクセスしないようにしましょう。メタバースの市場は年々拡大しているため、他のユーザーの資産を狙う詐欺やスパムが増えています。
なかにはメタバースのサービスと見せかけた偽サイトも見受けられます。個人情報などを登録する際は、正しいサイトであるかどうかよく確認してください。
なお、メタバースに関係する情報は英語表記のものが多いため、特に英語で書かれたメールは慎重に扱うようにしましょう。
メタバースを始める際によくある質問

メタバースを始める際に、よくある質問をまとめました。これからメタバースを始めたいと思っている方は、ぜひ参考にしてください。
メタバースは誰でも始めることができますか?
メタバースの利用は、18歳以上からと定められている場合が多いです。まれに年齢制限のないメタバースもあるものの、かなり少ないと言えるでしょう。メタバースでは基本的に暗号資産を用いての売買が行われるため、未成年ではプレイ内容が限定されていまいます。
メタバースは無料で始められますか?
メタバースは無料ではじめられるものもありますが、ある程度の費用が必要と考えるのがいいでしょう。本格的に楽しむ場合、メタバース内で使用する暗号資産の事前購入だけでなく、処理能力の高いパソコンやVRゴーグルなども必要です。
初期費用をかけた方がメタバースの醍醐味を楽しむことができるため、ある程度の費用を用意しておくのがおすすめです。
メタバースはスマホでも始められますか?
スマホで始められるメタバースも存在しますが、数は少ないのが現状。快適に楽しむのであればやはりパソコンは必須です。可能であればなるべく処理能力の高いパソコンを用意しておくと、操作性が上がりよりメタバースを楽しむことができるでしょう。
メタバースでお金を稼ぐことはできますか?
メタバースでは、お金を稼ぐことが可能です。初心者でも初期費用をすぐに回収できる場合がありますが、必ず稼げるとは限らないため自己判断のもとで楽しみましょう。
具体的な例としては、広告を通じてサービスに誘導する、NFTを販売するといった方法があります。
おすすめのメタバースのプラットフォームはありますか?
おすすめのメタバースのプラットフォームとしては、The Sandbox、Decentraland、Axie Infinity、Clucterなどが挙げられます。
まとめ
近年注目度が高まっている、インターネット上の仮想空間であるメタバース。バーチャルオフィスなどのサービスであれば事前に念入りな準備は必要ありませんが、暗号資産を使用して楽しむメタバースを始める際は、国内外に口座を開設し暗号資産を購入、暗号資産をメタバース専用のコインに換金しておく必要があります。
この記事を参考にあなたにぴったりのプラットフォームや暗号資産取引所を見つけて、魅力的なメタバースの世界に足を踏み入れてくださいね。