メタバース事業の先駆けとなったMeta社のプラットフォームである「Horizon Worlds(ホライゾンワールド)」。日本は未対応ですが、海外ではビジネスをして仮想通貨を得ている人もいます。
今後Horizon Worldsが日本に対応した時に備えて、情報収集したい人も多いのではないでしょうか。この記事では、Horizon Worldsはどのようなサービスを提供しているのか、メリットやデメリットなどを解説します。この記事を読んで、今後の日本対応に備えてくださいね。
Meta社(旧Facebook社)のメタバースプラットフォームHorizon Worldsとは

2021年12月10日にリリースされたHorizon Worldsは、Meta社(旧Facebook社)が開発・運営しているメタバースプラットフォームです。社名をMetaに変更する前までは「Facebook Horizon」という名称でした。
Horizon Worldsは、専用のヘッドセット「Meta Quest2」でVR空間に入り、ユーザー同士でコミュニケーションやゲームを楽しめるプラットフォームです。他も会議室や街などの「ワールド」を自由に作成できます。
Horizon Worldsの特徴やできること

Horizon Worldsの特徴は5つあります。
メタバース(仮想空間)内でコミュニケーションがとれる
1つ目は、メタバース内でコミュニケーションがとれる点です。Horizon Worldsのアバターは下半身が無く、上半身のアクションでコミュニケーションをとります。
アバターの頭上にユーザー名が表示され、装着したMeta Quest2のハンドトラッキングでジェスチャーをコントロールする仕組みです。
Horizon Worldsの公式Twitterは、既に1万以上のワールドが作成されていると発表しています。作成したワールドにフレンドを招待したり、数人でミニゲームなどさまざまな遊び方が可能です。
VR機器を利用してリアルな体験ができる
2つ目は、VR機器を利用してリアルな体験ができる点です。Horizon Worldsは専用のVR機器であるMeta Quest2を装着してプレイします。VR機器を装着すると、リアルに近い世界観の体感が可能です。
Meta社が開発したMeta Quest2は、VRヘッドセット、Touchコントローラー2機、メガネスペーサー、充電器などがセットになったものです。
土地やNFTを制作し、仮想通貨を通して販売できる
3つ目は、土地やNFTを制作し、仮想通貨を通して販売できる点です。Horizon Worldsは、ワールド内の土地やNFT(非代替トークン)を販売できます。他にも、新たな土地を有料で入場できるようにしたり、作成したエフェクトの販売も可能です。
しかし、Horizon Worldsでアイテムなどを販売する際は、47.5%の高額な販売手数料がかかります。販売価格は利益を考慮して決定しなくてはなりません。
イベントを開催できる
4つ目は、イベントを開催できる点です。Horizon Worldsは2022年6月にイベントの場を「Horizon Venues」から「Horizon Worlds内の専用地」に移動しています。専用の空間で音楽ライブやお笑いショーなど、さまざまなイベントの開催が可能です。
他にも、フレンドを招待して一緒にイベントを楽しめます。
オンラインミーティングに活用できる
5つ目は、オンラインミーティングに活用できる点です。Horizon Worlds内の「Horizon Workrooms」を使うと、メンバーがそれぞれ違う場所にいながら、まるで同じ場所にいるような感覚でオンラインミーティングができます。
Horizon WorkroomsではPCのキーボードの持ち込みやボードのスケッチ、スライド表示などができ、ビジネスに活用できる環境が整っています。
Horizon Worlds は日本で利用できない?リリースされている国を紹介

Horizon Worldsは18歳以上を対象に、アメリカとカナダで先行リリースされました。2022年6月にイギリス、その後はフランスとスペイン、アイスランド、アイルランドに上陸しています。2023年7月現在、未だ日本は対応していません。
利用者の年齢制限は18歳以上で、2022年10月時点のユーザー数は20万人未満と少ない状況です。この数値は、Meta社が目指すユーザー数に達していません。
しかし、今後リリースされる国の拡大により、ユーザー数の増加が予測されるでしょう。
Horizon Worldsの始め方

日本のリリースに向けて、Horizon Worldsの始め方を解説します。
- サポート対象のプラットフォームMeta Quest ProまたはMeta Quest 2を準備
- Horizon Worldsのアプリをインストール
- アバターを作成
- パーティチャットに参加してワールド内の探索を開始
1.サポート対象のプラットフォームMeta Quest ProまたはMeta Quest 2を準備
まずは、サポート対象のプラットフォーム「Meta Quest Pro」または「Meta Quest2」を手元に用意しましょう。公式サイトやAmazonなどから購入できます。
2.Horizon Worldsのアプリをインストール
次にHorizon Worldsのアプリをインストールしましょう。Microsoft Windows(PC)かMeta Quest2(VR機器※旧Oculus Quest)からインストールできます。
Meta Quest2は、他のVR機器のようにPCに接続する手間がなく、単体でVRプラットフォームをダウンロードできる高性能な機器です。Meta Questストアでアプリを検索するとインストールできます。
3.アバターを作成
次に、アプリを起動してアバターを作成しましょう。体型や髪型、服装などを自由に設定して作成します。後から変更したい場合は、プロフィールに表示されている「アバターの編集」から変更可能です。
Horizon Worldsのアバターは、カスタマイズ時は全身が表示されるものの、それ以外は下半身が無いアバターで行動します。
上半身だけのアバターは不自然で魅力的ではないという意見もあがっており、この指摘からMeta社のCTOは問題改善に向けて開発中であることを明らかにしています。アバターは、2023年中に下半身がつくようにアップデートされる予定です。
4.パーティチャットに参加してワールド内の探索を開始
アバターの作成ができたら、パーティチャットに参加してワールド内の探索を開始しましょう。
Horizon Worldsのメリットとデメリット

ここからは、Horizon Worldsのメリットとデメリットを解説します。
Horizon Worldsのメリット
Horizon Worldsのメリットは2つです。
距離や場所に関係なくコミュニケーションをとれる
1つ目は、距離や場所に関係なくコミュニケーションをとれる点です。Horizon Worldsなどのメタバースは、ネット環境とデバイスさえあれば距離や場所に関係なくどこからでもアクセスできます。
現実世界は交通費や時間などの問題がありますが、Horizon Worldsはそのような手間やコストをカットして自宅からコミュニケーション可能です。
第2の生活の場として活用できる
2つ目は、第2の生活の場として活用できる点です。Horizon Worldsは行動やワールド作成の制限がなく、現実世界と同じように過ごせます。仮想空間の旅をしたり、なかなか出会えない人々との交流もおすすめです。
Horizon Worldsは、本来の自分にコンプレックスがある人も、アバターの活用によってコミュニケーションしやすくなるというメリットがあります。
Horizon Worldsのデメリット
Horizon Worldsのデメリットは3つです。
VR機器を用意するための資金が必要
1つ目は、VR機器を用意するための資金が必要な点です。Horizon Worldsのプレイに必要なMeta Quest2は、2023年7月現在の最低価格が47,300円からと安価な物ではありません。始める際はまとまった資金を用意しましょう。
Horizon Worldsは日本未対応
2つ目は、Horizon Worldsが日本未対応な点です。2023年3月時点でアメリカ、カナダ、スペイン、フランス、イギリス、アイスランド、アイルランドの7カ国のみアクセスできます。
しかし、Meta社はヨーロッパ圏で規模の拡大を進めてることから、いずれはアジア圏の進出も考えられるでしょう。
NFTの販売手数料が高額
3つ目は、NFTの販売手数料が高額な点です。手数料は、NFTを販売できるMeta Questストアに30%、さらにHorizon Worldsに25%(販売価格に対して17.5%)です。
利益がほぼ半額になってしまうので、最大47.5%の販売手数料が高すぎるのではないかといった指摘もあります。
しかし、Meta社は1人でも多くのクリエイターが継続的に安定した収益を得られるような取り組みを目標にしているので、今後は手数料の引き下げも考えられるでしょう。
Horizon Worldsの将来性

Horizon Worldsは今後リリースされる国の増加や、非VRのWeb版が検討されています。
2022年4月に、Meta社のCTOアンドリュー・ボズワース氏がTwitterで「Web版が登場した際には、手数料は25%まで引き下げられる」とツイートしました。
これにより、コストを削減しながら日本でプレイできる時期も近いと予測できるでしょう。
参考:Meta社、メタバース「Horizon Worlds」の非VR版を開発中か。CTOがコメント
まとめ
ミニゲームで遊んだり、さまざまな人と交流を楽しめるHorizon Worlds 。フレンドとVR空間のイベントに参加したり、リアルな体験ができます。
日本のリリースは未定ですが、今後利用できるようになるとアジア圏のユーザーが増えてより楽しめるでしょう。サービスの今後の進展が楽しみですね。