バーチャルインフルエンサー

バーチャルヒューマンの市場規模は?2030年には世界で5,275億万米ドル超え、中国で2,700億元超え

メタバース市場の拡大に伴い、注目度を高めているバーチャルヒューマン(デジタルヒューマンアバター)。しかし、具体的にどのくらいの市場規模になるのかわからない方も多いのではないでしょうか。

この記事ではメタバース業界が著しく成長している中国を中心に、バーチャルヒューマンの市場規模についてご紹介します。この記事を参考に、バーチャルヒューマンの経済効果への理解を深めてください。

拡大するバーチャルヒューマン市場

バーチャルヒューマンとは、CG技術によって人間そっくりにつくられたアバターのこと。メタバースの流行とともにバーチャルヒューマンの需要も高まり、人気バーチャルヒューマンの年収は1000万ドルを超えるとも言われています。

高い技術により制作されたバーチャルヒューマンは、いまや人間と同じ仕事をこなしていると言っても過言ではありません。バーチャルインフルエンサーとしてSNSで影響力を持ったり、バーチャルモデルとして雑誌の表紙を飾ったりと現実世界に影響を及ぼしています。

また、バーチャルヒューマンはゲームや娯楽の世界だけでなく、販売、金融、教育などの分野での活躍も見込まれています。今後さらに多くの企業が、バーチャルヒューマン市場に参入していくことでしょう。

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バーチャルヒューマンの世界の市場規模

バーチャルヒューマンの世界の市場規模は、2030年に5,275億8000万米ドルに達すると予測されています。一定期間における売上高や営業利益の伸び率を示したCAGR(年平均成長率)は46.4%を記録するという予想です。

参考:
2030年に5,275億8000万米ドルに達するデジタルヒューマンアバターの市場規模

バーチャルヒューマンの中国の市場規模

ここからは、市場拡大が著しい中国のバーチャルヒューマンの市場規模について解説します。

中国の市場規模の予測

先端技術とAI関連の情報サービスプラットフォームである「電子位」が発表した「バーチャルヒューマンディープ産業報告」によると、バーチャルヒューマンの中国の市場規模は、2030年に2,700億元に達すると予測されています。

中国では、2021年からメタバース業界における資金調達が急激に増加。2020年までは20億元(約400億円)以下で推移してきましたが、2021年には93.5億元(約1,870億円)と過去最高を記録しました。

そのメタバース業界の中でも、2011年から2022年上半期までにもっとも多くの投資を集めたのがバーチャルヒューマンの領域です。

参考:
【寄稿】テンセント&バイトダンスとスタートアップの動きを解説 投資トレンドから⾒る中国メタバース概況
バーチャルヒューマンの進化が止まらない 2030年の中国市場は5兆円規模に

中国のバーチャルヒューマンの構成と、それぞれの市場規模の予測

中国では、バーチャルヒューマンを「身分型バーチャルヒューマン」と「サービス型バーチャルヒューマン」の大きく2種類に分類しています。

身分型バーチャルヒューマンは人間の分身としての存在で、SNSやエンタメ業界で活用されるのが特徴。サービス型バーチャルヒューマンは、人の代わり労働力や労働の補助として活用されるのが特徴です。

2030年には、2種類のバーチャルヒューマンのうち身分型バーチャルヒューマンの市場規模が1747.2億元(約3兆4944億)、サービス型バーチャルヒューマンが955.4億元(約1兆9108億円)になると予測され、2倍近くの差となります。

新型コロナウイルスのバーチャルヒューマンへの影響

新型コロナウイルスの流行は、バーチャルヒューマンの市場拡大に大きく関わっています。例えば学校などの教育現場では、新型コロナウイルスの影響により世界中でオンライン授業が行われました。

オンライン授業の普及はそれをサポートするAI(人工知能)、特に会話型AIの成長を大きく後押しし、すでに教育現場の多くでAIを活用した学生教育プログラムを活用しています。

バーチャルヒューマンの課題

近年、新たなバーチャルヒューマンが次々と誕生し、バーチャルヒューマン市場は急成長を遂げています。

しかし、中国の市場調査会社である艾媒諮詢(iiメディアリサーチ)によると、バーチャルヒューマン産業では今もなお資金面などへの支援が薄いのが現状です。人材の供給体制が整っていないといった問題も挙げられます。

バーチャルヒューマンの将来性

現在はモデルやインフルエンサーとしてのイメージが強いバーチャルヒューマンですが、今後はさらに活躍シーンを広げていくと予想されています。

例えば、バーチャルヒューマンに動きや声を当てることでシンガー(歌手)やアイドルとしても活動が可能です。AIと組み合わせることにより、バーチャルヒューマンが当たり前のように店頭で接客をしたり、講師として登壇する日も近いかもしれません。

こういった期待から、バーチャルヒューマンの需要や価値は増大していくことでしょう。

まとめ

メタバースのブームに伴い、認知度を高めているバーチャルヒューマン。その世界の市場規模は2030年に5,275億8000万米ドルに達すると予測され、とくに市場の拡大が顕著な中国では2030年に2700億元に達すると予測されています。

バーチャルヒューマンの活躍の場はこれからますます拡大していき、より私たちの生活に密接に関わっていくでしょう。バーチャルヒューマンの今後の動向に注目してください。