CG技術の進歩により誕生した、バーチャルインフルエンサー。リアルな人間と見分けがつかないビジュアルと個性が魅力です。近年よく耳にするようになりましたが、「どんな仕組みかわからない」「日本にも有名バーチャルインフルエンサーはいるの?」など、まだ詳細をよく知らない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、日本のバーチャルインフルエンサーを9人ご紹介します。有名企業とコラボレーションしていたり、世界を股に掛けて活躍するバーチャルインフルエンサーもピックアップしました。この記事を読むことで、バーチャルインフルエンサーの魅力を知ることができるでしょう。
バーチャルインフルエンサーとは
- CG技術によって作られた架空のインフルエンサーのこと
- バーチャルインフルエンサーには、VTuberのようにキャラクターを動かす「中の人」が存在していない
- リアルなビジュアルや性格が主にデジタルネイティブ世代の支持を集めている
- 大企業が起用したことでさらに注目が集まっている
バーチャルインフルエンサーとは、CG技術によって作られた架空のインフルエンサーのことです。CG技術の進歩により、リアルな人間と錯覚するようなビジュアルをしており、それぞれ性格や生い立ちまで細かく設定されているのが特徴です。
似た存在としてVTuberが挙げられますが、バーチャルインフルエンサーにはVTuberのようにキャラクターを動かす「中の人」が存在していません。また、見た目にも違いがあり、VTuberは主にアニメキャラクターのような外観ですが、バーチャルインフルエンサーはリアルな人間に近づけることを追求しています。
バーチャルインフルエンサーが注目されている背景としては、まず第一にリアリティがあり、主にトレンドに敏感なデジタルネイティブ世代から支持を集めています。また、大企業がバーチャルインフルエンサーを起用したこともあり、これから認知度は拡大していくでしょう。
バーチャルインフルエンサーを起用するメリット
バーチャルインフルエンサーを起用するメリットとしてはまず、企業やブランドにぴったり合ったキャラクターを作り上げられることです。実在するモデルなどを起用する場合、希望と完全に一致する人材を見つけるのは難しいですが、バーチャルインフルエンサーであれば見た目から性格まで希望通りに作り上げることができます。
また、時間や場所にとらわれない自由な表現ができるうえ、スキャンダルや炎上のリスクが少ないのも魅力。リアルな人間と異なりコンディションに左右されないため、常に最高のパフォーマンスを発揮することができます。
作り手が自由に体型や気分を変えたりすることもできるため、ファンのアンケート結果に併せてキャラクターに変化を付けることも可能。ファンがバーチャルインフルエンサーを育てる感覚を楽しむことができるのも魅力です。
日本のバーチャルインフルエンサー9人を紹介
ここからは、日本のバーチャルインフルエンサー9人をご紹介します。有名企業やブランドのモデルを務めたインフルエンサーや世界的に活躍しているインフルエンサーもいますよ。
SNSで情報を発信しているインフルエンサーもいるので、気になる人がいたらぜひチェックしてみてください。
女性
imma(イマ)
Ria(リア/桜海莉亞)
Saya(サヤ)
葵プリズム
uca(ウカ)
YU(ユウ)
男性
Liam Nikuro(リアム・ニクロ)
plusticboy(プラスティックボーイ)
山鳥水生
imma(イマ)
2018年に誕生した、ピンクのボブヘアが特徴的なimma(イマ)。東京パラリンピックの閉会式に登場したことでも注目を集めました。リアルな人間と見分けがつかない高いCG技術によって作られています。
トレンド感あふれるファッションや、等身大の若者らしいSNSの投稿も魅力。MOUSSYなどの人気ブランドを扱うバロックジャパンリミテッドや、世界的なブランドであるバーバリーのモデルも務めています。日本でもっとも有名なバーチャルインフルエンサーといっても過言ではないでしょう。
Ria(リア/桜海莉亞)
東京自由が丘出身で、日本人の父と、イタリア系フランス人の母をもつRia(リア/桜海莉亞)。日本語、中国語、英語の3カ国語を話すトリリンガルです。ファッション・美容の分野を得意とし、自身のことを”セルフケアオタク”と呼んでいます。
身長170cmのモデル体型で、ガーリーからスポーティまでさまざまなコーディネートを着こなします。シーズンにより雰囲気の異なるビジュアルを発信しているInstagramから目が離せません。
Saya(サヤ)
夫婦で3DCG制作を行うユニット「TELYUKA(テルユカ)」によって2015年にコンセプトが生み出された、Saya(サヤ)。最先端のコンピュータグラフィックスを使用しながらも、従来ながらの繊細な観察と研究を元にしたドローイングとスカルプティングが用いられています。
17歳という設定を活かし、ティーン向けのイベントや学校行事などでも活躍しています。公式サイトにはSayaが動いている動画も掲載されており、そのリアルさに驚くことでしょう。
葵プリズム
2019年にInstagramを開設した、日本発・世界初のバーチャルギャルである葵プリズム。ミレニアル世代で構成されたクリエイター集団YYZによって生み出され、バーチャルインフルエンサーのモデルエージェントであるVIMに所属しています。
身長167cmの20歳で、本来のギャルと現代のセンスを合わせた”ネオギャル”的なファッションが特徴で、SNSの投稿もギャルらしい言葉遣いをしています。日本のカルチャーとギャルをかけ合わせたカラフルな投稿は、見ているとハッピーな気分になりますよ。
uca(ウカ)
2019年にInstagramを開設した、国内初のバーチャルドールであるuca(ウカ)。上で紹介した葵プリズムと同様に、クリエイター集団YYZもよって生み出され、VIMに所属しています。
自身もモデルとして活躍し、アパレルブランドなども手掛ける菅野結以がプロデュースしており、”少女と女性の間の美しい瞬間”を切り取ったような儚さのあるキャラクターに仕上がっています。
yu(ユウ)
2020年にファーストリテイリングのブランドであるGUによって生み出されたyu(ユウ)。GUが独自に作成した、GU専属モデルです。
身長158cmの中肉中背という、他のバーチャルインフルエンサーと比べると一般的な体型であるのが特徴。消費者が自分と重ね合わせやすいキャラクターを作るために、一般女性200人の体型の平均を元に作成されました。
Liam Nikuro(リアム・ニクロ)
2019年に誕生した、アメリカ人の父と日本人の母を持つLiam Nikuro(リアム・ニクロ)。アメリカ・ロサンゼルス出身で、そのキャラクターを活かしてアメリカのプロバスケットボールチームとのパートナーシップを結ぶなど、世界を股に掛けて活動しています。
モデルだけでなく、音楽の分野などで活躍し、マルチな活躍を見せる人気の男性パーチャルインフルエンサーです。
plusticboy(プラスティックボーイ)
最初に紹介したimmaの実の弟である、plusticboy(プラスティックボーイ)。ビビットな赤髪で、クールな印象のバーチャルインフルエンサーです。愛想よく会話することが苦手でやや尖った性格と、キャラクターがしっかりと作り込まれています。
海外紙であるUniform magazineの表紙を務めたり、東京ファッションウィークのメインキービジュアルを担当するなど、現在はおもにファッション分野で活躍しています。
山鳥水生(やまとりみずき)
サントリーコミュニケーションズのインフルエンサーとして活動している、バーチャル社員の山鳥水生(やまとりみずき)。Instagramをメインに、サントリーの魅力をPRしていく役目を担っています。
27歳で、両親と姉の4人家族の末っ子。宣伝コミュニケーション部に配属されましたが、まだ宣伝は勉強中とのことです。育っていく様子を楽しむことができるのも魅力かもしれません。
海外にも有名なバーチャルインフルエンサーがたくさん
この記事では、日本のバーチャルインフルエンサーをご紹介しましたが、海外にも世界的に注目を集めているバーチャルインフルエンサーが多数存在します。
たとえば、Lil Miquela(リル・ミケーラ)は2016年に活動を開始し、バーチャルインフルエンサーの先駆けの存在と言われています。また、同じく2016年に活動を開始したBermuda(バミューダ)は、Lil Miquelaとの交友関係をSNSでアピールするなどバーチャルインフルエンサー同士で交流したことでも話題になりました。
気になる方は、海外のバーチャルインフルエンサーなどのSNSもぜひチェックしてみてください。
まとめ
CG技術の発達により、リアルの人間と見分けがつかないほどのクオリティに仕上がっているバーチャルインフルエンサー。日本でも、海外の有名ブランドとコラボレーションをするインフルエンサーが話題となりました。
国内外でその数は少しずつ増えており、フォロワー約300万人のインフルエンサーも存在します。これからますます影響力を持っていくであろうバーチャルインフルエンサーから、目が離せませんね。