CGにより本物の人間そっくりに作られたバーチャルインフルエンサー。韓国・アメリカなどさまざまな国から、数百万人ものフォロワーを抱えるバーチャルインフルエンサーが誕生しています。しかし、実際にどのくらいの影響力があるのか知らない人が多いのではないでしょうか。
この記事では、日本・世界で有名なバーチャルインフルエンサーやその影響力を解説します。immaやLil Miquelaといった大きな影響力を持つ人物も紹介するので、この記事を読めばバーチャルインフルエンサーの影響力の大きさを実感できるでしょう。
バーチャルインフルエンサーとは
高いCG技術により、本物の人間と見分けがつかないほどリアルに作られたバーチャルヒューマン。その中でも、おもにSNSなどで大きな影響力を持つ人物のことをバーチャルインフルエンサーと言います。Instagram(インスタグラム)で情報を発信したり雑誌の表紙を飾ったりと、普通の人間のように活動しています。
作り方としては、CGの人物と実写の背景を組み合わせるのが一般的で、顔のみCGで体は実写を使うこともあります。
VTuberと比較されることがありますが、バーチャルインフルエンサーがリアルな人間のような容姿をしているのに対し、VTuberは漫画やアニメのキャラクターのような容姿をしています。さらに、バーチャルインフルエンサーがいわゆる「中の人」との結びつきが強くないのに対し、VTuberはキャラクターを操作する「中の人」の存在が大きいのが特徴です。
バーチャルインフルエンサーの影響力とは
バーチャルインフルエンサーはすでにSNSなどで大きな影響力を持っており、人間のモデルやタレントと同じような存在となりつつあります。
実際にバーチャルインフルエンサーがどのくらいの影響力を持っているのか解説します。
バーチャルインフルエンサーの影響力がある層
2022年3月の米ザ・インフルエンサー・マーケティング・ファクトリーの調査によると、全世代のうち58%の人がSNSで最低1人のバーチャルインフルエンサーをフォローしていることが明らかになりました。さらに、35%の人は、バーチャルインフルエンサーによりPRされた商品やサービスの購入経験があると回答しています。
バーチャルインフルエンサーをフォローしている年代に関しては18〜24歳がもっとも多く、約75%の人が最低1人をフォローしていると回答。商品やサービスの購入に関しては35〜44歳が最も多く、約45%の人がバーチャルインフルエンサーを通して購入経験があると回答しました。
バーチャルインフルエンサーの影響力の例
バーチャルインフルエンサーが商品のPRをした際、実際にどのくらいの影響力があったのかをご紹介します。
Lil Miquela(リル・ミケーラ)は、2023年2月時点で世界でもっとも影響力のあるバーチャルヒューマンです。彼女がラグジュアリーストリート系ファッションブランドのOff-White(オフホワイト)のアイテムを着ると、ブランド自体の月間検索数が68%増加しました。
また、彼女が身に付けたアイテムの月間検索数が43%増加した例もあり、大きな影響力が伺えます。
影響力のあるバーチャルインフルエンサーTOP3
バーチャルインフルエンサーのおもな活動場所であるInstagramにおいて、フォロワーの多い人物TOP3をご紹介します。
世界的に注目を集める人物や、日本で作られた人物がランクインしています。気になる人物がいたら、ぜひアカウントをチェックしてみてくださいね。
なお、Instagramのフォロワー数は2023年2月時点のものです。
Lil Miquela(リル・ミケーラ)
Lil Miquela(リル・ミケーラ)は、カリフォルニア州ダウニー出身とされるバーチャルインフルエンサーです。2018年にInstagramに登場後、2023年2月時点でのInstagramフォロワー数は約289万人。世界でもっとも影響力の高いバーチャルインフルエンサーと言っても過言ではありません。
有名ブランドのアイテムを着こなした画像を投稿しているSNSでは、ファッションインフルエンサーとしての存在感を放っています。
imma(イマ)
鮮やかなピンクのボブヘアが印象的なimma(イマ)が、Instagramに登場したのは2018年。アジア発のバーチャルインフルエンサーです。Instagramフォロワー数は約40.3万人で、東京オリンピックの閉会式に登場したことでも注目を集めました。
日本はもちろん中国やタイでも活躍しており、アジアを代表するバーチャルインフルエンサーとして影響力を高めています。
noonoouri(ヌーヌーリ)
デフォルメされた大きな瞳のnoonoouri(ヌーヌーリ)は、アニメキャラ風のバーチャルインフルエンサーです。リアルさを追求した他のバーチャルインフルエンサーとは異なる容姿が特徴的な彼女ですが、Instagramフォロワー数は約40.3万人と大きな影響力を持っています。
ファッションブランドとタイアップしたりモード誌の表紙を飾ったりと、その活動範囲は人間のモデルと変わりません。
バーチャルインフルエンサーのメリット
バーチャルインフルエンサーには、本物の人間には成し得ないメリットが多数存在します。
- 企業や商品のイメージに合った人物像を作れる
- コンディションを問わず同じクオリティを担保できる
- 時間や場所の概念・常識を超えた自由な表現ができる
- 炎上やスキャンダルの危険性を減らせる
バーチャルインフルエンサーは見た目だけでなく中身も自由に設定できるため、企業や商品にぴったりの人物像を作り上げられるのが特徴です。コンディションに左右されず常に同じクオリティを保てることから、年月が進むと共に見た目が変わることもありません。
また、時間や場所にとらわれることがなく、スケジュール管理が容易で移動コストがかからないのも魅力。
さらに、バーチャルインフルエンサー自身が勝手に発言したり行動することがないため、
モデルやタレントに付きもののスキャンダルや炎上のリスクを減らすこともできます。
バーチャルインフルエンサーの将来性
ブラジルのボールド・クリエイターズ・クラブの調査によると、バーチャルインフルエンサーの市場規模は2018年の時点で約46億ドル(約5980億円)という数字が出ています。なお、2025年までには年平均成長率が26%を超える見込みです。
その影響力の高まりにより、米メタ社はInstagram上での「公式マーク」をバーチャルインフルエンサーにも付与する取り組みを始めています。今後もバーチャルインフルエンサーの影響力は拡大する一方でしょう。
まとめ
人間のインフルエンサーと同じようにSNSや広告で活躍している、バーチャルインフルエンサー。数百万人ものフォロワーを抱える人物もおり、その認知度は年々増加しています。
今後もますます影響力を拡大していくであろうバーチャルインフルエンサー。これからの活動が楽しみですね。