ファッションモデルやインフルエンサーとしての活躍に注目が集まるバーチャルヒューマンですが、教育分野への応用にも期待されています。しかし、実際にどのようなメリットや例があるのか、情報が得られていない人も多いのではないでしょうか。
この記事では、バーチャルヒューマンを教育分野に応用させるメリットと可能性、実際の活用例をご紹介します。最後まで読むことで、バーチャルヒューマンが人の代わりとして活動する未来が想像できるでしょう。
バーチャルヒューマンとは
バーチャルヒューマンとは、CG技術によって人間を模して作られた仮想人物です。SNSなどで情報を発信するバーチャルヒューマンはバーチャルインフルエンサーとも呼ばれ、リアルな人間のようにファッションモデルや広告等として活動しています。
バーチャルヒューマンはAI(人工知能)技術を組み合わせることで、画面越しに人間との対話も可能です。教育や接客、医療分野での活躍に期待されています。
今後はCGやAI技術の進歩により、バーチャルヒューマンへの注目度は高まっていくことでしょう。バーチャルヒューマンの可能性については下記の記事で詳しく解説しています。
バーチャルヒューマンを教育分野に応用させるメリットと可能性
バーチャルヒューマンを教育分野に応用させるメリットは以下の通りです。
- 技術や知識を具体的な形で共有できる
- 誰に対しても平等に指導できる
- データを簡単に数値化できる
- 人件費を削減できる
特定の人物しか把握していない技術や知識をバーチャルヒューマンに学習させることで、具体的なルールや手順をデータとしてまとめられます。それにより誰に対しても平等な指導が可能になり、指導者による教育内容のバラつきが出ません。
また、バーチャルヒューマンに学習させたデータは簡単に数値化できます。改善点が明確になり、成長スピードの向上に期待できるでしょう。
指導者を複数雇ったり指導者が長時間労働する必要もなくなるため、人件費の削減にも期待できます。
バーチャルヒューマンを教育分野に応用させた実例
ここからは、バーチャルヒューマンを実際に教育分野に応用させた例をご紹介します。
女子高生バーチャルヒューマン「Saya(サヤ)」が生徒と対話
株式会社博報堂と株式会社博報堂アイ・スタジオは、CGアーティストのTELYUKAが制作した女子高生バーチャルヒューマンのSaya(サヤ)と会話ができる、「Talk to Saya」を開発しました。
学校法人鎌倉女学院高等学校では、2019年にバーチャルヒューマンのSaya(サヤ)と会話してAI技術を学べるプログラム「1日転校生Saya」を実施。Sayaが1日限定の転校生として授業に登場し、画面を介して生徒たちと会話しました。
授業ではSayaが自身で思考して意見を発するシーンも見られ、生徒にとって最新テクノロジーやバーチャルヒューマンの将来性を考える機会となったでしょう。
サムスン電子のスタッフ教育用バーチャルヒューマン「Sam(サム)」
Sam(サム)は、サムスン電子のブラジル法人が制作したバーチャルヒューマンです。サムスン電子IT・モバイル(IM)部門の営業スタッフをトレーニングに活用する「仮想営業トレーナー」とされています。
一時期SNSに登場し、「Samsung Girl(サムスンガール)」として注目されましたが、韓国のサムスン電子からは公認されておらず現在は確認できません。
専門学校でバーチャルヒューマン「レイチェル」を活用
北海道ハイテクノロジー専門学校では、株式会社COUGERが連携した教育プログラム「バーチャルヒューマンラボ」が行われています。
このプログラムでは、高いAI技術によりさまざまな対応ができるバーチャルヒューマンのレイチェルを活用。生徒たちが自身で設定したテーマや課題を、レイチェルを活用して解決していきます。
まとめ
ファッションモデルやインフルエンサーとしての活動だけでなく、教育や接客などの分野でも活躍が期待されるバーチャルヒューマン。誰に対しても平等に知識や技術を伝えられたり、人件費を抑えられたりとメリットが多数存在します。
すでに教育分野で活かされつつあり、実際に高校の授業に活用される例もありました。バーチャルヒューマンが人間の代わりとして、学校教育や人材育成をサポートする日も近いかもしれません。