まるで実在する人間のように情報を発信する、バーチャルインフルエンサー。その活躍の幅は静止画だけでなく、歌手やDJ、アイドルのような音楽分野にまで広がっています。そんなバーチャルインフルエンサーは、一体どのようなパフォーマンスをしているのでしょうか。
この記事では、海外を中心に音楽活動をするバーチャルインフルエンサー8選や、音楽活動をするメリットを紹介します。音楽業界でも人間さながらの人気を誇るバーチャルインフルエンサーをチェックしてください。
バーチャルインフルエンサーとは
バーチャルインフルエンサーは、CGで作られた実在しないキャラクターです。SNSを中心にトレンドを発信しています。人気ファッションブランドのとのコラボレーションや、ファッション誌の表紙を飾るなど、ファッション分野での活躍が目立ちます。
しかし、その活動はファッション分野だけにとどまらず、歌手として曲を発表したりアイドルのように歌って踊るキャラクターも存在します。
バーチャルインフルエンサーは炎上やスキャンダルのリスクが少ないというメリットもあり、今度さらに注目度が増していくでしょう。バーチャルインフルエンサーについては下記の記事で詳しく解説しています。
音楽分野で活躍するバーチャルインフルエンサー8選
ここからは、実際に音楽分野で活躍するバーチャルインフルエンサーを紹介します。
Lil Miquela(リル・ミケーラ)
2016年にInstagramに登場した、ブラジル系アメリカ人とされるファッション系インフルエンサーです。SNSを見ると有名ブランドのアイテムを身にまとったフォトジェニックな写真が印象的ですが、歌手デビューを果たしSpotifyで楽曲を発表しています。
また、2019年からカリフォルニアで行われている世界屈指の音楽フェス「コーチェラ・フェスティバル2019」では、Lil Miquelaがアーティストにインタビューする動画も発表されました。
コロンビアのシンガーソングライターであるJ.バルヴィンに自然な様子でインタビューをし、英語に加え数語のスペイン語を話す姿が確認されています。
Liam Nikuro(リアム・ニクロ)
2019年にInstagramを開設した、国内初の男性バーチャルモデルです。アメリカ人と日本人の両親を持ち、全米プロバスケットボール協会のチームであるワシントン・ウィザーズとパートナーシップを結ぶなど、国境を超えて活躍しています。
エンターテインメントに関心が高く、ファッションや音楽などのジャンルでマルチに活動する姿が印象的です。
APOKI(アポキ)
「宇宙のどこかに住むウサギに似ている存在」をイメージした、バーチャルK-POPアーティストです。リアルな人間の姿をしたバーチャルインフルエンサーが多い中、特徴的な容姿から存在感を放っています。
TikTokやYouTubeなどの動画投稿サイトを中心に、ヒット曲をカバーした動画を投稿したことで注目を集めました。2021年にはK-POPアーティストとしてデビューし、楽曲の中に日本語版の歌詞もあるようです。
YuA(ハン・ユア)
2019年に韓国にてデビューしたバーチャルインフルエンサーです。モデル事務所「YG KPLUS」と契約しており、この事務所には人気グループの「BLACKPINK」なども所属しています。
歌手としてデビューした際は、数百万人規模の音声データを使ってYuAの歌声を作り出しました。
Rozy(ロジ)
2020年に活動を開始し、韓国でもっとも認知度が高いバーチャルヒューマンの1人です。音楽分野での活動にも力を入れていて、2022年には初のシングル「Who Am I」を公開しました。
この楽曲の制作には、韓国の人気歌手・赤頬思春期(Bolbbalgan4)のアルバムをプロデュースしたチョン・ジェウォンが参加しています。
ae-aespa(アイ-エスパ)
韓国の人気ガールズグループであるaespa(エスパ)のメンバーをバーチャル化した、バーチャルガールズグループです。リアルなメンバーとバーチャルのメンバーが組み合わさり、これまでにない先進的なアーティストとして活動しています。
”自分のもう一つの自我であるアバターに出会い、新しい世界を経験する”というコンセプトのもと、aespaのMVなどに登場しています。
Reah Keem(キム・レア)
シンガーソングライター兼DJと名乗り、音楽にファッションを取り込んだコンテンツなどを発信するバーチャルインフルエンサーです。2022年に韓国の芸能事務所であるミスティックストーリーと業務協約を締結しました。
事務所の代表である歌手のユン・ジョンシンのプロデュースにより歌手デビューを果たしています。
YELLOCK
人間とバーチャルヒューマンの“デジタルツインズ”アーティスト です。最新のテクノロジーとダンスミュージックを融合させ、ライヴパフォーマンスの可能性を切り開く実験的プロジェクトを行っています。
2020年1月には、”バーチャルヒューマンライブ”の映像を世界初披露しました。本物の人間であるYELLOCKのDJや楽器演奏といったパフォーマンスを、バーチャルヒューマンが瞬時にトレース。リアルとバーチャルが交わる新たなパフォーマンスに、観客は大いに盛り上がりました。
人気のバーチャルインフルエンサーについては、下記の記事で詳しく解説しています。
バーチャルインフルエンサーが音楽活動をするメリット
バーチャルインフルエンサーが音楽活動をするうえでのメリットは、本物の人間にはできない安定した表現ができることです。
人間の場合、体調などによってパフォーマンスに差が出る可能性があります。しかし、バーチャルヒューマンは、歌やダンスを1度学習すればいつでも同じように再現が可能です。体調や気分による影響が出ることもなく、クオリティを保ったパフォーマンスができます。
また、普通の人間が歌やダンスを習得するためには、長い練習期間が必要な場合があります。しかし、バーチャルインフルエンサーであれば、最初からプロのようなレベルのパフォーマンスを身につけられるのもメリットです。
まとめ
ファッション分野での活躍が目立つバーチャルインフルエンサーですが、音楽活動をする人物も存在するなど、その活動の幅は広がっています。
炎上やスキャンダルのリスクが少ないうえ、コンディションなどに関わらず安定したパフォーマンスができることから、音楽業界に新たな旋風を巻き起こすかもしれません。可能性を秘めたバーチャルインフルエンサーに、今後もぜひ注目してください。