まるで本物の人間のようにSNSで情報を発信する、バーチャルインフルエンサー。Instagram(インスタグラム)ではLil Miquela(リル・ミケーラ)やimma(イマ)などが人気を集め、スキャンダルや炎上のリスクが少ないことでも注目の存在です。
そんなバーチャルインフルエンサーはどのような仕組みで活動しているのでしょうか。この記事では、バーチャルインフルエンサーが所属しているモデルエージェント(事務所)と、主なバーチャルインフルエンサーをご紹介します。
バーチャルインフルエンサーとは
バーチャルインフルエンサーとは、CG技術で生み出された仮想のインフルエンサーのことです。その多くが本物の人間と見分けがつかないほどリアルな容姿を持ち、性格や出身地などのプロフィールが細かく設定されている場合もあります。
VTuberと比べると「中の人」を感じさせないのが特徴で、本当に存在していると勘違いしてしまうようなリアリティが魅力です。有名ブランドなど大企業がバーチャルインフルエンサーをモデルとして起用したこともあり、今後注目度は拡大していくでしょう。
バーチャルインフルエンサーについて詳しく知りたい人は、下記の記事をチェックしてください。
バーチャルインフルエンサーのエージェント(事務所)を紹介
バーチャルインフルエンサーには、それぞれエージェント(事務所)が存在します。
一般的なタレント事務所といえばタレントを集めて管理する意味合いが強いですが、バーチャルインフルエンサーのエージェントは、インフルエンサーを開発し管理する立場にあたります。
ここでは、有名なエージェントと、そこに所属するおもなバーチャルインフルエンサーをご紹介します。
VIM
バーチャルインフルエンサーのみが所属するモデルエージェントとしては、世界で初めてとなるVIM。所属するバーチャルインフルエンサーのプロデュースやマネジメントを行い、企業とのコラボレーションまでサポートします。
バーチャルインフルエンサーを支持する世代が持つ「その人が信じたいものが真実になる」という強いメッセージを感じ取り、まったく新しい”ヒトのプロデュース”を行っていきます。
VIMに所属するおもなバーチャルインフルエンサー
- 葵プリズム(アオイプリズム)
- uca(ウカ)
葵プリズム(あおいプリズム)
葵プリズム(アオイプリズム)は、世界初のバーチャルギャルです。従来のギャルファッションと最先端のセンスを掛け合わせた独特なファッションが特徴で、SNSの投稿にはカラフルな写真が溢れています。
「#ちなうちCG」というハッシュタグをつけて、ギャルらしい言葉遣いで情報を発信をしており、「ネオトーキョー」感あふれるキャラクターです。
uca(ウカ)
国内初のバーチャルドールであるuca(ウカ)は、その名の通り人形のような顔立ちと服装が特徴のバーチャルインフルエンサーです。
モデルとして活躍しながら、アパレルブランドも手がける菅野結以がプロデュースしています。”少女と女性の間の美しい瞬間”をイメージした、儚さを感じられるキャラクターです。
Aww
Awwは、日本初のバーチャルヒューマン企業です。10年以上にわたり3DCGを使った研究を続け、リアルな人間の体や顔の動きを再現したバーチャルヒューマンを生み出しました。
技術だけでなく、プロデュース・ディレクション・ストーリーテリングにおいても一流で、世界一のバーチャルヒューマンカンパニーを目指し追求を続けています。
Awwに所属するおもなバーチャルインフルエンサー
- imma(イマ)
- plusticboy/Zinn(プラスティックボーイ)
- Ria(リア/桜海莉亞)
imma(イマ)
アジア初のバーチャルモデルで、ピンクのボブカットが特徴的なimma(イマ)。国籍や詳細なプロフィールは開示されていませんが、東京を中心に活動し、東京オリンピックの閉会式にも登場しました。
初めて見た人はきっと本物の人間と間違えてしまうような、リアルな容姿が特徴です。髪の毛1本や肌の質感にまでこだわり、本物の人間と並んでも違和感を感じません。
plusticboy/Zinn(プラスティックボーイ)
immaの実の弟で、ビビッドな赤髪が特徴のplusticboy/Zinn(プラスティックボーイ)。少し尖った性格で、にこにことすることが苦手など、クールな雰囲気のキャラクターです。
雑誌の表紙を務めたりと、おもにファッション業界で活躍しています。
Ria(リア/桜海莉亞)
日本人とイタリア系フランス人の両親を持つRia(リア/桜海莉亞)は、語学に長けており日本語・中国語・英語を話すトリリンガルです。
同じ事務所のimmaやplusticboyと写った写真をSNSに投稿するなど、バーチャルヒューマン同士の交友関係も伺えます。
1SEC
3DCGテクノロジーによる、バーチャルモデルの開発や運営を行う1SEC。水嶋ヒロなど著名人をバーチャルヒューマン化したり、NBAのチームと締結してバーチャルインフルエンサーを作成するなど話題を生んでいます。
1SECに所属するおもなバーチャルインフルエンサー
- Liam Nikuro(リアム・ニクロ)
Liam Nikuro(リアム・ニクロ)
アメリカ人と日本人の両親を持ち、日本初の男性バーチャルインフルエンサーであるLiam Nikuro(リアム・ニクロ)。バスケットボールの八村塁選手が所属するワシントン・ウィザーズとパートナーシップを結んでいます。
ファッションや音楽にも関心が高く、世界を股にかけたマルチタレントとなるかもしれません。
atali
ataliでは、最先端のCG技術をもって、バーチャルヒューマンの開発・プロデュースを行っています。AR事業にも力を入れ、「ARおうち花火大会」というイベントを開催したことでも注目を集めました。
ataliに所属するおもなバーチャルインフルエンサー
- MEME(メメ)
MEME(メメ)
多くの人間と同じように、容姿コンプレックスを抱えたキャラクターのMEME(メメ)。一般的な美の基準にとどまらず、独自の不完全さを魅力としています。
2020年の貝印の広告で、MEMEが両腕を挙げて脇毛を見せる姿はSNSを中心に話題を集め、第74回広告電通賞 SDGs特別賞受賞を受賞しています。
さまざまな個性を持ったバーチャルインフルエンサーを知りたい人は、下記の記事をチェックしてください。
バーチャルヒューマンをマーケティングに活用する方法
バーチャルヒューマンをマーケティングやブランディングに活用するには、いくつかの方法が挙げられます。
- 新規開発
- エージェントを通して起用
まず、バーチャルヒューマンの作成を自社もしくは他社に依頼して行う方法です。これには膨大な費用と時間がかかる場合が多く、より人間に近いリアルなキャラクターに仕上げるほど労力が必要です。
次に、バーチャルヒューマンを制作・管理するエージェントを通し起用する方法があります。一般的なタレント事務所のように、エージェントがインフルエンサーのマネジメントを行い、企業とのコラボレーションの際にはサポートも行います。
企業によるバーチャルインフルエンサーの起用について詳しく知りたい人は、下記の記事をチェックしてください。
まとめ
実際には存在しない仮想人間であるバーチャルインフルエンサーも、SNSなどを通して情報を発信する時代となりました。バーチャルインフルエンサーを管理するエージェントも誕生し、本物の人間のようにキャスティングできます。
今後、バーチャルインフルエンサーの認知度がさらに上がることで、バーチャルインフルエンサーが人間と同じように活躍する日も近いかもしれませんね。